百人一首 八十五

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夜もすがら もの思ふころは 明けやらで ねやのひまさへ つれなかりけり

 俊目恵法師(しゅんえほうし)の歌です。

「一晩中つれない人を思つて嘆くこのごろは、夜もなかなか明けず、光の差さない寝室の隙間まで冷たく思へることだよ」
 夜通し、つれないあの人を思つて嘆いているこのごろは・・・

 どうも相手が訪ねてこないのは、昨日、今日のことだけではないらしい。男性が夜だけ女性のもとを訪ねる通い婚だつた平安時代、たくさんの女性がかうして相手を思つて涙で枕を濡らしたことでせう。

 こんな女性の微妙な心を詠む男の坊さんとは、どんなにプレイボーイだつたことでせうか。

 和歌を通して、時代の違いを感じることもまた、趣のあることですね。

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このページは、宝徳 健が2014年7月28日 07:21に書いたブログ記事です。

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