おほけなく うき世の民に おほふかな わが立つ杣(そま)に 墨染めの袖
前大僧正慈円(さきのだいそうじょうじえん)の歌です。
「おそれ多くも、仏のご加護を願つて、俗世の人々におおい掛けるうよ。比叡山に住み始めた私の墨染めの袖を」
前大僧正慈円(さきのだいそうじょうじえん)の歌です。
「おそれ多くも、仏のご加護を願つて、俗世の人々におおい掛けるうよ。比叡山に住み始めた私の墨染めの袖を」
平安から鎌倉へ移らうとしてゐる頃の歌です。「おほけなく」は「身分の程もわきまえず」です。比叡山の座主になる前です。戰ひが治まらない世の中を憂いて詠まれてゐます。
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