凛として 十四

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 つづきです
 十二月、徴兵検査は予定通りやってきた。学生時代から柔道で鍛えた体はがんじょうそのものだった。検査を終え、"甲種"の印を持ち上げた検査官は、ふと書類に目をとめた。
「アルコール製造技師? アルコールは火薬をつくるのに必要だ。お国のために志事に励むように」と"乙種"の印を押した。軍需産業にかかわると判断したのだ。

 政孝は会社に「兵隊に行かなくてよくなったので、あと一年働かせてほしい」と申し出た。阿部に依存はなかった。

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このページは、宝徳 健が2014年10月 7日 03:40に書いたブログ記事です。

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