つづきです。
彼のシャツの白い腹が波立つた。そこに動いてゐる木漏れ陽が私を幸福にした。こいつのシャツの皺みたいに、私の人生は皺が寄つてゐる。しかしこのシャツは何と白く光つてゐるだらう。皺が寄つてゐるままに。・・・・・もしかすると私も?
世間をよそに、禪寺は禪寺のしきたりで動いてゐた。夏のことだから、毎朝おそくも五時には起きる。気象の事を開定(かいぢやう)といふ。起きてすぐ朝課の讀經である。三時回向と云つて、三囘讀む。それから屋内の掃除をし、雑巾をかける。朝食の粥座(しゆくざ)になる。
世間をよそに、禪寺は禪寺のしきたりで動いてゐた。夏のことだから、毎朝おそくも五時には起きる。気象の事を開定(かいぢやう)といふ。起きてすぐ朝課の讀經である。三時回向と云つて、三囘讀む。それから屋内の掃除をし、雑巾をかける。朝食の粥座(しゆくざ)になる。
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