今日で第8章は終わりです。
宮城蒸留所は四十四年竣工。最初の蒸留を終えたとき、政孝は従業員全員を集め原酒のテイスティングをした。
口に含み政孝は「違うな」と言った。
「意に満たないものができたのか」とうなだれる従業員を前に、政孝はつけ加えた。
「これでいいんだ。北海道の者と違うからいい。これはおれがつくったものではない。この土地がつくってくれたものだ」
そして工藤を呼び、「感謝を込めて、この酒を川に注いできてくれ」と命じた。
工藤は涙をこらえながら川まで走り、できたての原酒をそそいだ。
口に含み政孝は「違うな」と言った。
「意に満たないものができたのか」とうなだれる従業員を前に、政孝はつけ加えた。
「これでいいんだ。北海道の者と違うからいい。これはおれがつくったものではない。この土地がつくってくれたものだ」
そして工藤を呼び、「感謝を込めて、この酒を川に注いできてくれ」と命じた。
工藤は涙をこらえながら川まで走り、できたての原酒をそそいだ。
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