【第八十二號:一匹と九十九匹】
いつも士魂商才をお讀みいただき感謝申し上げます。「士魂商才(しこんしょうさい)」第八十弐號です。タイトルは「一匹と九十九匹」です。
福田恒存先生は、私が私淑している方です。福田先生のご著書を讀むと、背筋がピンとします。若いうちからかいうふ本を讀み、かういふ敎育を受けて來たら、素晴らしい社會ができるのでせう。
福田先生の論文に「一匹と九十九匹」といふものがあります。「政治は九十九匹を救うことができても、なおかつ救われない一匹がいる。この一匹を救えるのは文學である」といふ内容なのですが、これは、當時、猖獗(しょうけつ:惡いことがはびこり勢ひを増すこと)を極めた共産主義の矛盾(精神の自由を認めないため共産主義では萬人を救うことが出来ない)を鋭く突いたものでした。この文章に出逢つたことで、私は、人間の本性に悖る間違つたイデオロギーである共産主義に陥らなくてすみました。
人間の成長もさうでせう。どんなに知識や能力を高めても、どんなにスキルを磨いても、自分の心の中に在る「一匹」を自分自身が見つめ、そして、自らを髙め、自らを救わなければ、立派な人物になることはできません。
そして、私たち日本人は、八千数百年もの太古から、それを追求してきた美しい、美しい國でした。
不埒な日教組の敗戰後の過つた敎育、敗戰利得者とマスコミの世論操作により、長い長い間、私たちは、嘘を詰め込まれました。嘘を勉強しないと進學できませんでした。
三十歳を過ぎて、樣々な本と出逢ひ、そして、最近上梓される素晴らしい數々の著作に觸れ、學べば學ぶほど、「これほどかつての我が國は美しかつたのか」と感涙にむせびます。
子供たちへ素晴らしい祖國を引き繼ぐために、大人から變はりませう。
今月號もお樂しみください。
感謝合掌
皇紀弐千六百七十五年正月吉日株式會社 經營戰略室
代表取締役 寳德 健
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