土潤溽暑(皇紀弍千六百七十五年七月二十九日)

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 今日から七十二候 三十五候 大暑 次候 「土潤溽暑」です。「つちうるおうてむしあつし」と讀みます。土までが蒸して暑くなる頃です。
 暑い日が續きますね。

 溽暑は、「じょくしょ」と讀みます。湿度の高い蒸し暑さを云ひます。じつとしゐても脂汗が滲んでくるやうな暑さです。溽暑は、炎暑とは違ひます。ぎらぎら炎えるような太陽の光というより、曇り日の蒸し暑さを感じさせる暑さです。また、溽暑は、身に纏わりつく空気の重さを感じさせます。

 私たちが子供の頃は、舗装されてゐる道路の方がすくなかつたのです。車もまだ少ない時代ですので、道路でもよく遊びました。でも、この頃の暑さは半端ではありません。だから、夕方になると、打ち水をしました。懐かしいですね~。今、打ち水をしている風景が見られるのは、京都ぐらいでせうか?

 この頃は、もちろんクーラーなんてしろものはありません。扇風機だつたあやしかつた頃です。母は、父や子供たちがご飯を食べてゐるときなど、団扇で扇いでくれました。こんな婦道は、もう、我が國からは消えてしまひましたね(笑)。

 夜は、雨戸だけで、戸は開けっ放しにして寢てゐました。それでも大丈夫なぐらい治安がよかつたのです。

 電気冷蔵庫がある家も少なく、箱に氷を入れて物を冷やす家も。冷蔵庫があっても、冷凍部分にすぐに霜がこびりつくので、しょっちゅう霜とりをしてゐました。

 その冷蔵庫も小さいので、すいかなどは、水をたらいに入れて冷やしてゐました。

 季節の暑さ寒さをそのまま身體に感じる時代でした。でも、その暑さ寒さによる「つらさ」という記憶がほとんどありません。今より知恵があつたのですね。懐かしいな~。

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このページは、宝徳 健が2015年7月29日 05:09に書いたブログ記事です。

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