看護婦と云ふ職業の素晴らしさ 3(皇紀弐千六百七十五年十月四日 弐)

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 入院中最も勉強になつたのが、食事のとり方です。まずは、献立表をもらいました。

 手術が終はつて、自分の病室がある階以外はしばらく行つてはいけないと云はれたので、自分の病室がある階を歩きまわつてゐました。K醫師が「一日に十周するぐらい歩かないとだめだ」と仰つてゐました。
 手術前、家族説明の時に、手術が終はつて次に日には家族は歸えるとK醫師に告げました。すると「う~ん、男の人は、痛みに弱いんですよね~。だから、家族の誰かがついてサポートしないと寢てばかりになるんですよね~。特に手術後すぐにでもフロアを十周ぐらい歩く氣持ちがないと、治りが遅くなるんですよね~」と。

 冗談ではありません(笑)。そのぐらいできなくて、經營なんてできません。K醫師と勝負、勝負。

 ドレンと尿の管が取れてからは、初日からバシバシ歩きました。途中リハビリの人が飛んできて「無理しないでください!」と。「でも、先生は歩けと・・・」。「一度に周とは云はなかつたと思ひますが」「ああ、そうか」。

 でも、六週なんてわけありません。

 その時、ナースステーション(ハートセンターでは、スタッフステーション)の受付のところに献立表がありました。その週と次の週のを置いてありました。前の週のももらいました。退院するまで1か月分の献立表が揃いました。

 それを、克明に分析。摂取カロリー、朝、昼、晩のメニュー内容。朝、昼、晩のカロリーバランス。

 手術後、血糖値がかなり上がりました。血糖値が高いままだと、傷のくつつきが遅くなります。

 血糖値コントロールが必要です。また、退院後の食生活、つまり、生活習慣を改めないとまた、血管が詰まる恐れがあります。

 運動と食生活は、生活習慣を改善するためにとても大切な二大要素となります。えっ?誰ですか?酒控えればいいんだよって云ふのは。まあ、それを言つては身もふたもありません。まあ、酒は大幅に控えるとして。

 するとまず気づいたのが、朝は、野菜の煮物(病院では生野菜は出ない)と、ご飯とみそ汁ぐらいです。それと朝は必ず課糖のヨーグルトがつきました。つまり、朝は、ほんの輕くといふ食事です。

 昼は、三食の中で一番しつかり食べます。

 夜は、ご飯、魚または肉料理、野菜の煮物2品、果物ほんの少しです。つまり、普通。

 このバランスがとても不思議でした。それを看護婦さんに聞くと、懇切丁寧に教えてくれます。

 まずは、知らなかつたのが、低血糖はすこぶる危險であるといふことです。看護婦さん曰く「低血糖は、それまでの改善努力をすべて無駄にする」。

 私のガミさんは、かなり健康おたくです。なのに、すぐに体調不良になります。「無駄ジャン」といつも思つてゐました。退院後、彼女の血糖値を何回か測りました。すると、午前中(朝食後)に低血糖になつてゐました(血糖値70未満)。

 入院中も血糖値を測つて、70未満だと、看護婦さんが大騒ぎになります。「宝徳さん、大丈夫?めまいしない?クラクラしない?先生に処置を聞いて來るから待つててね」。

 低血糖が惡いなど、これまで知りませんでした。

 さうです、健康おたくのガミさんの努力は低血糖症状ですべてぶち壊しになつてゐたのです。ですから、ガミさんの場合は、10時のおやつがとても大切なのです。

 おつと、ガミさんの話しなんてどうでもいいや。

 ・・・・・・・・長くなつたので、朝、昼、晩がなぜこんなバランスになつてゐるかは、次囘にします。

 それと、醫療的見地からだけで、食事を作つてゐては、患者の樂しみがなくなります。これも見事に克服してゐました。これについても後日。

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このページは、宝徳 健が2015年10月 4日 13:27に書いたブログ記事です。

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