ナゴルノカラバフ(皇紀弍千六百七十六年四月十日)

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 我が國の學問で絶對に不足しているものがあります。また、それはそのまま臣民の感覺不足につながつてゐます。

 地政學、地政經濟學、軍事學です。
 昨日、ヤフーニュースで「アゼルバイジャン西部、停戦合意も戦闘 アルメニア系勢力2人死亡」とありました。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/b/b4/Location_Nagorno-Karabakh2.png

 ナゴルノカラバフは、アゼルバイジャン西部でアゼルバイジャンから分離獨立を掲げる地域です。1994年に停戰合意された以降、最大規模の軍事衝突が先週發生し、少なくとも90人が死亡しました、四月五日にロシアの仲介で停戰に合意しましたが、今囘の戰闘は、この停戰合意違反となります。

 これが下手をすると世界大戰にもつながるかもしれないと感じた方は、何人いらつしやつたでせうか。

 ナゴルノカラバフを支援するアルメニアは、アゼルバイジャンを非難し、アゼルバイジャン政府はアルメニアを非難してゐます。

 そして、ロシアとトルコがこれに介入する可能性があるのです。トルコはNATO加盟國ですから、トルコが介入するとNATOが支援します。

 アメリカの出方によつては世界大戰につながる恐れがあるのです。

 大げさなと思ふ方もゐるかもしれませんが、かつて、ボスニア・ヘルツエゴビナ紛争の時、クリントンが對應を誤り、あわや世界大戰になりさうになりました(日本のメディアはどこも報じませんでしたが)。これを止めたのが、フランス大統領シラクと、我が國の小渕首相と高村副総裁でした。

 また地政學的には、歐州のあのあたりで紛争が起きると、支那がフリーになり、亞細亞で好き勝手なことをやります。遠い極東のことなど歐米は無関心になりますし、ロシアがそちらに手が取られるからです。

 かつて日露戰爭が起きたのは、ドイツ皇帝ウイルヘルム二世がビスマルクを解任したからです。それが三國干渉を生み、ロシアの東亞細亞進出をゆるし、そして、我が國に防衛の必要が生じました。

 また明治維新は、歐州に露土戰爭などが起きていたため、歐州が日本にちよつかいを出す余裕がありませんでした。我が國は、近代化を進めることが出來ました。
 
 我が國では、「日本史」「世界史」といふ愚かな學問があります。歴史こそ地政學です。ですから、グローバリズムと言葉だけ唱えるやうになります。どんなにビジネスで海外をかけめぐつても、役に立たない人間が育ちます。

 そして、くだらない政治家を選び、國會で、このすさまじい世界の動きについていけない議論が横行します。TPPを政局にしてゐる暇はないつつうの。

 戰爭を起こさせない軍事力を整え、それでもいたしかたなく、他國が地政學で動いて來る時には、國を護ることが出來る、憲法を整えられるのが獨立國家です。國家は誰も護つてくれません。國民しか護れないのです。

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このページは、宝徳 健が2016年4月10日 14:26に書いたブログ記事です。

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