源氏物語 14(皇紀弐千六百七十六年七月六日 弐)

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 第三帖 空蟬です。空蟬の弟が、姉のところに光源氏を手引きするところからでした。
 前囘、光源氏が空蟬を抱いたときは、暗くて空蟬の顔がよくわかりませんでした。それが、なかなか空蟬に逢へない光源氏をいらだたせてゐる原因の一つでもありました。

 光源氏が小君(空蟬の弟)に案内されて紀伊守(きいのかみ)の屋敷についたとき、空蟬は、紀伊守の妹と碁を打つてゐました。

 屏風も畳んでありますし、几帳をまくりあげて、灯がともつてゐます。女性二人の姿がほんのりと浮かび上がつてゐます。

 光源氏の視線は、まず、空蟬のはうへ。「あの横向きに座つてゐるのが、空蟬だな」。

 まずは全體像を確かめます。「うんうん、おぼろげな記憶にあるのと同じだ。小柄でほつそりしてゐる」「身に着けている衣装もほどよく品がある」

 源氏物語の作者は紫式部。女性です。源氏物語には特徴があります。衣食住のうち、衣はの描写ははなはだ詳しいのです。さすが女性。住についてもそこそこ詳しい。食??? 無頓着ですね~。

「うん、物静かで上品さうだ。眼ははれぼつたい。鼻筋はすつきりしていないな。美しい所が見つけにくく、器量よしとは云へないが、衣装にも立ち振る舞いにも凛としたところがあるし、なぜだか目を引き付けられる女性だ」

 勝手なものです(笑)。

 そこに小君が帰つてきました。

小「珍しい客が來てゐて、なかなか姉のところに寄りつけません」
光「なんだつた、私にこのまま帰れといふのか」
小「そうではありません。姉が一人になつたときに」

 と、なんとか空蟬を一人にさせる算段をしてゐます。

 さて、空蟬は一人になつたのでせうか? つづく

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このページは、宝徳 健が2016年7月 6日 07:58に書いたブログ記事です。

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