相好(皇紀弐千六百七十六年七月五日 弐)

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 普段、何氣なく使つてゐる言葉が實は、佛敎用語だったなんてのを紹介してゐます。

 今日は「相好」です。「そうごう」と讀みますが、最近、使はれなくなりましたね。良い日本語が使はれなくなるのは悲しいことです。

 「相好をくずす」と使ひます。顔をほころばせて心から笑ふことを云ひます。

 語源は佛敎の「三十二相八十種好(さんじゅうにそうhがちじゅうしゅこう)」です。
 如來(佛)は、三十二の大きな特徴と八十の小さな特徴のことがあります。この言葉の中の「相」と「好」をあはせて佛のすぐれた容姿をあらはす言葉が相好です。今日は三十二相を紹介しますね。

1. 足下安平立相(そくげあんぴょうりゅうそう)

足の裏が平らで、地を歩くとき足裏と地と密着して、その間に髪の毛ほどの隙もない(偏平足)。

2. 足下二輪相(そくげにりんそう)

足裏に輪形の相(千輻輪)が現れている。佛足石。魚の目です。

3. 長指相(ちょうしそう)

10本の手指(もしくは手足指)が長くて繊細なこと。


4. 足跟広平相(そくげんこうびょうそう)

足のかかとが広く平らかである。


5. 手足指縵網相(しゅそくしまんもうそう)

手足の各指の間に、鳥の水かきのような金色の膜がある。

6. 手足柔軟相(しゅそくにゅうなんそう)

手足が柔らかで色が紅赤であること。

7. 足趺高満相(そくふこうまんそう)

足趺すなわち足の甲が亀の背のように厚く盛り上がっている。

8. 伊泥延腨相(いでいえんせんそう)

足のふくらはぎが鹿王のように円く微妙な形をしていること。伊泥延は鹿の一種。

9. 正立手摩膝相(しょうりゅうしゅましっそう)

正立(直立)したとき両手が膝に届き、手先が膝をなでるくらい長い。

10. 陰蔵相(おんぞうそう)

馬や象のように陰相が隠されている(男根が体内に密蔵される)。

11. 身広長等相(しんこうじょうとうそう)

身体の縦広左右上下の量が等しい(身長と両手を広げた長さが等しい)。

12. 毛上向相(もうじょうこうそう)

体の全ての毛の先端が全て上になびき、右に巻いて、しかも紺青色を呈し柔軟である。

13. 一一孔一毛相(いちいちくいちもうそう)

身体の毛穴にはすべて一毛を生じ、その毛孔から微妙の香気を出し、毛の色は青瑠璃色である。

14. 金色相(こんじきそう)

身体手足全て黄金色に輝いている。

15. 丈光相(じょうこうそう)

身体から四方各一丈の光明を放っている(いわゆる後光(ごこう))。光背はこれを表す。

16. 細薄皮相(さいはくひそう)

皮膚が軟滑で一切の塵垢不浄を留めない。

17. 七処隆満相(しちしょりゅうまんそう)

両掌と両足の裏、両肩、うなじの七所の肉が円満で浄らかである。

18. 両腋下隆満相(りょうやくげりゅうまんそう)

両腋の下にも肉が付いていて、凹みがない。

19. 上身如獅子相(じょうしんにょししそう)

上半身に威厳があり、瑞厳なること獅子王のようである。

20. 大直身相(だいじきしんそう)

身体が広大端正で比類がない。

21. 肩円満相(けんえんまんそう)

両肩の相が丸く豊かである。円満。

22. 四十歯相(しじゅうしそう)

40本の歯を有し、それらは雪のように白く清潔である(常人は32歯)。

23. 歯斉相(しさいそう)

歯はみな大きさが等しく、硬く密であり一本のように並びが美しい。

24. 牙白相(げびゃくそう)

40歯以外に四牙あり、とくに白く大きく鋭利堅固である。

25. 獅子頬相(ししきょうそう)

両頬が隆満して獅子王のようである。

26. 味中得上味相(みちゅうとくじょうみそう)

何を食べても食物のその最上の味を味わえる。

27. 大舌相(だいぜつそう)

舌が軟薄で広く長く、口から出すと髪の生え際にまで届く。しかも、口に入っても一杯にはならない。

28. 梵声相(ぼんじょうそう)

声は清浄で、聞く者をして得益無量ならしめ、しかも遠くまで聞える。

29. 真青眼相(しんしょうげんそう)

眼は青い蓮華のように紺青である。

30. 牛眼瀟睫相(ぎゅうごんしょうそう)

睫が長く整っていて乱れず牛王のようである。

31. 頂髻相(ちょうけいそう)

頭の頂の肉が隆起して髻(もとどり)の形を成している。肉髻(にくけい)。

32.相白毫相(びゃくごうそう)

眉間に右巻きの白毛があり、光明を放つ。伸びると一丈五尺ある。

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このページは、宝徳 健が2016年7月 5日 10:47に書いたブログ記事です。

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