「いとしるきほどにて、人々見たてまつりとがむるに、あさましき御宿世(すくせ)のほど心うし」・・・・・
話は少し飛びますが、藤壺にはつきりと、つはりの兆候があらはれて、人々がみて問いただすやうになります。藤壺は、世の定めのあさましさに心を惱まします。懐妊です。光源氏の子を身ごもるのです。
話は少し飛びますが、藤壺にはつきりと、つはりの兆候があらはれて、人々がみて問いただすやうになります。藤壺は、世の定めのあさましさに心を惱まします。懐妊です。光源氏の子を身ごもるのです。
實は、第一帖「桐壺」と第二帖「帚木:ははきぎ」のあいだに、まう一帖 光源氏と藤壺の幻の帖があつたと云はれてゐます。
ですよね。藤壺が懐妊するまでの間、紫式部は、あまり、藤壺と光源氏のドロドロした愛を描いてゐません。當時 光源氏は十二歳です。きつとあこがれの人と、密會し、そして肉體關係を・・・。
おつといけない。紫式部の美意識を私ごときが崩してしまふ。
このときもさうです。藤壺が病で宮中から里に下がつてゐるとき「これが逢はずにいられるか」と藤壺に仕へる女房を責め落し、無理な算段を講じてなんとか逢ひました。
懐かしさ、いとしさはひとしおです。まうどうにもならない光源氏の思ひは、手紙を交はすぐらいではおさまりがつきません。
藤壺も「いけないわ」と思ひながら、光源氏の魅力が女心に迫つてきます。
そして、ここが紫式部のうまさです。「若紫」の帖で、これ以上、藤壺のことを書いてゐません。
先ほどの懐妊は、この密會から三か月後のことだつたのです。
光源氏は、苦しみます。そして、藤壺の姪である若紫への思慕がますますつのるです。
ですよね。藤壺が懐妊するまでの間、紫式部は、あまり、藤壺と光源氏のドロドロした愛を描いてゐません。當時 光源氏は十二歳です。きつとあこがれの人と、密會し、そして肉體關係を・・・。
おつといけない。紫式部の美意識を私ごときが崩してしまふ。
このときもさうです。藤壺が病で宮中から里に下がつてゐるとき「これが逢はずにいられるか」と藤壺に仕へる女房を責め落し、無理な算段を講じてなんとか逢ひました。
懐かしさ、いとしさはひとしおです。まうどうにもならない光源氏の思ひは、手紙を交はすぐらいではおさまりがつきません。
藤壺も「いけないわ」と思ひながら、光源氏の魅力が女心に迫つてきます。
そして、ここが紫式部のうまさです。「若紫」の帖で、これ以上、藤壺のことを書いてゐません。
先ほどの懐妊は、この密會から三か月後のことだつたのです。
光源氏は、苦しみます。そして、藤壺の姪である若紫への思慕がますますつのるです。
コメントする