源氏物語 33(皇紀弐千六百七十六年十月九日 弐)

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初草の 若葉の上を みつるより 旅寢の袖も 露とかはかず

 光源氏が若紫のことを思つて詠んだ歌です。この歌で、紫草を詠つてゐるので、この少女は若紫となりました。

 光源氏は、押しに押します。若紫の後見人になることを。繰り返しますが、若紫は、藤壺の兄(かなりっ高い位)が愛人に産ませた子です。愛人は早死にし、祖母である尼君が育てます。その尼気味が亡くなってしまふのです。
生い立たむ ありかも知らぬ 若草を おくらす露ぞ 消えむそらなき

 祖母の尼君が、「どうしてあなたを残して死ねようか」と詠みます。

初草の 生い行く末も 知らぬまに いかでか露の 消えむとすらむ

 尼君のお付の女性が「なぜ、そんなことを云うのですが」と返します。

 光源氏は、まるで攫ふやうに、若紫を連れて行つてしまひました。まあ、光源氏自體が、帝の子ですから、連れていかれたはうも、「まあ、しかたがないか」といふ感じです。

 若紫の二条院(光源氏の家)での生活が始まります。

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このページは、宝徳 健が2016年10月 9日 09:38に書いたブログ記事です。

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