METT‐TC 4(皇紀弐千六百七十六年十月二十一日 弐)

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 先日、息子と話していました。企業人の仕事も、自己完結できる社員が団結するようにしないといけない。鍛え上げた人間たちがお互いのその力を使ひ合ふと、それは「分け合ふ」ことになります。分け合ふと餘ります。「分け合つて餘らしてきた」のが我が國です。武士道の精神です。

 弱い人間が傷をなめあふやうな組織を創ると、相手の力を奪わないと仕事にならないので、「奪い合つて足りなくなる」組織となります。

 かつての我が國は、自己完結した人間が、社會を構築してゐました。例えば。
 日露戦争を観戰した、アルゼンチン武官 ドメク・ガルシアは、装甲巡洋艦「日進」の艦橋からロシア艦隊が日本海に沈没していくのを目撃しました。

 彼の觀戰日記には、戰ひを前に、甲板を洗い、自身も沐浴し、清潔な着衣に改める日本人の戰爭のマナーが驚嘆の言葉でつづられてゐます。當時の他國の海軍は、戰ひではどうせ汚れるのだからと汚い服に着替えたりしてゐたさうです。



 さらに、旗艦三笠では、日本海海戰が終はつたあと、海外プレスが三笠に乗り込むと、まるでそれまであの激しい戰闘をしてゐたのが、嘘のやうに、全乗組員が、粛々と自らの業務をこなしてゐたさうです。他國のプレスはその姿に驚きを隠せなかつたさうです。これがかつての日本人です。

 私たちはなぜこれほど堕落してしまつたのでせうか。

 話を戻します。MET-TCとは、任務分析の意味であり、そして、インディビデュアル・コンバットといふ、自己完結型の人間を創る日本陸軍(もう自衛隊と呼ぶのはやめましょう)の訓練です。

M:任務 Misson
E:敵情 Enemy
T:地形 Terrain
T:部隊 Troops
T:時間 Time
C:民事 Civil Consideration

 からMETT-TCとなつてゐます。

 實際には、陸軍では、METT‐Tです。息子に任務分析の話をしたら知ってゐました。びっくりしました。「父さん、これ何て讀むの?」と聞かれました。「ミット・ティー」です。

 米陸軍のMETT‐TCは、「ミット・ティーシー」です。

 おつと長くなりました。組織におけるベクトルのあはせかたは、次囘書きます。

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このページは、宝徳 健が2016年10月21日 10:01に書いたブログ記事です。

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