十字軍(皇紀弐千六百七十六年十月二十一日)

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 平尾誠二さんが亡くなりました。私たちの時代のヒーローです。それにして五十三歳は若すぎます。心からご冥福をお禱り申し上げます。

 さて、歐州は、あの素晴らしいローマ帝國がキリスト敎によつてぐちゃぐちゃにされ暗黑の時代に突入します。それにほとほと疲れて、「もういいかげんにしやうよ」と再び古代ローマ帝國の繁榮を取り戻さうとしました。これが「再生(ルネサンス)」です。そして、十五世紀以降、ルネサンス→宗敎改革→對抗宗敎改革→大航海時代の四つがからみあひ、ウェストファリア體制といふ近代化をしてゐきます。「このウェストファリア體制」が歐州公法、つまり、國際法です。我が國は、これが世界標準であると強く思ひ、明治時代以降、國際法の優等生であり續けました。ところが、中世を經てゐないアメリカが出現しました。なので、大東亞戰爭は、アメリカの軍事的な實力ではなく、國際法侵しまくりのアメリカの非道に敗けてしまひました。アメリカは、國際法を守る氣はありませんし、今まで、守ったことがあつただらうか? 記憶にありません。

 そのウェストファリア體制に移行する前に、歐州は、近代化のために宗教を克服する必要がありました。だから、絶對主義が出てきたのです。これについてはまたいつか。我が國は、織田信長が、比叡山と石山本願寺を叩きのめしてくれましたので、宗教戰爭は起きませんでした。信長といふ男は正しい眼を持った政治家でした。


 宗教は、宗教に徹してゐればいいのですが、一つ間違えるととんでもないことをし始めます。その最たるものが、カトリック教会主義です。そして、彼らが起こした十字軍です。

 映画などを観ると、この十字軍は、聖戰として扱はれ、そして、とても強いやうに描かれてゐますが、これは歐米のプロパガンダです。エルサレム奪囘の十字軍遠征は八囘行はれたと云はれてゐます(キリスト教側に資料が残つてゐないので明確ではない)。でも、その都度、叩きのめされてゐます。西歐諸國が束になつてかかつても、東方の帝國には、かなはなかつたのが實情です。歐米の映画では、過去からずつと西歐が強かつたとなつてゐますが、全部、うそです。

 最後は、後背地のエジプトを攻めようとしてこれも失敗してゐます。

 まあ、くやしまぎれに、バルト海先住民に對する北方十字軍など、目的を見失ふやうなこともやつてゐます。エルサレムから離れるほど十字軍は成功してゐます。笑つてしまひます。

 アメリカのインディアン狩りと同じやうに、侵略です。征服戰爭です。ちなみにアメリカのインディアン狩りも正當化されてゐます。マカロニ・ウェスタンといふ映画よつて。子供のころ西部劇を観て、インディアンが惡くてアメリカ人が正しいといふ錯覚に陥つてしまひました。情報戰とは恐ろしい。

 北方十字軍は、なんてことはない、カトリック教会主義のローマ教皇が自分の権威を拡大したかつただけです。

 そのやうな經緯の中で、スウエーデン、デンマーク、東プロイセン、ポーランドが大國化していきます。

 そして、史上最強のローマ教皇 インノケンチウス三世(在位1198年~1216年)が登場します。我が國では鎌倉時代ですね。

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このページは、宝徳 健が2016年10月21日 08:01に書いたブログ記事です。

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