源氏物語41(皇紀弐千六百七十六年十二月十二日)

| コメント(0) | トラックバック(0)
 今日は、バッテリーの日です。1番ピッチャー、2番バッター。これがふたつ繰り返されてゐるからださうです。カーバッテリーの協会か何かが決めたのだか。まあいいや。

 今囘は、これまで登場した女性を整理するのでしたね。繰り返しますが、源氏物語は、登場人物の多さで讀むのが困難になつてしまふことが多いのです。でも、系統をしつかり把握すればさう複雑ではありません。

 まずは、なんといっても桐壺。光源氏の母です。帝と桐壺から光源氏が誕生します。小説の中では、すぐに亡くなるのですが、この人がスタートでありキーであることは間違ひありません。
 桐壺の死を悲しんだ帝は、桐壺にそつくりな藤壺を迎へます。そして、あとの帖にはなりますが、藤壺の姪 若紫(紫の上)を光源氏は二条院(光源氏の家)に迎へます。いろいろな女性が出てきますが、この桐壺ー藤壺ー紫の上がセンターラインです。縦糸です。

 次の整理の仕方が、第二帖の雨夜の品定め。光源氏と頭中將などが、どんな女性がいいのか男たちの勝手な考へで、あんなこと、こんなことで女性のタイプを論評します。最初に源氏物語を讀んだときは、「なんで、雨夜の品定め」をするのかなあ? と思ひましたが、源氏物語の話の展開の中で、とても重要な役割を果たしてゐます。紫式部が讀者にしかけをしてゐます。この雨夜の品定めの位置づけがわかるかどうかで、源氏物語の面白さが全く違つてきます。

 人妻ゆえに光源氏との愛に苦しむ 空蝉 夫の転勤で光源氏から離れていきますが

 空蝉と間違へて抱いてしまつた女性(名前はあるのですが、混亂を避けるためにあえてこのブログでは割愛します)

 ある女の怨念によつて呪い殺される夕顔(怨念女はまだこのブログに登場してゐません)。

 シコメなのに、光源氏に愛された 末摘花

 彼女たちは、みんな、雨夜の品定めに實は暗に登場してゐるのです。女性のタイプとして。

 さて、第三カテゴリーは、宮中の女たちです。

 かつての光源氏の愛人 六条御息所(ろくじょうのみやすどころ:元東宮妃)、左大臣家の娘で光源氏の正妻 葵の上、左大臣家の政敵 右大臣家の 弘徽殿女御(こきでんのにょうご)、そして弘徽殿女御(こきでんのにょうご)の妹であり東宮への入内が決まつてゐたのに、光源氏と結ばれた朧月夜(おぼろづきよ)。なんと、光源氏の政敵の娘です(まだ、このブログでは登場してゐない)。第三カテゴリーはみんな地位の高い女性ばかりです。

 だいたいこれまでのところ、この三カテゴリーで女性を整理していけば、ストリーがわかりやすくなります。

 さて、次囘からまた話を進めてまいります。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.soepark.jp/mot/mt/mt-tb.cgi/6600

コメントする

月別 アーカイブ

Powered by Movable Type 4.261

このブログ記事について

このページは、宝徳 健が2016年12月12日 05:01に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「レコンキスタ(皇紀弐千六百七十六年十二月十日 參)」です。

次のブログ記事は「枯木星(皇紀弐千六百七十六年十二月十二日 弐)」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。