源氏物語 47(皇紀弐千六百七十七年一月三十日 參)

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 第八帖 花宴(はなのえん)に入つてゐます。

 藤壺のことを書いてきましたが、若紫も少しずつ成長して華麗さを増し、光源氏とのむつまじさがほほえましくも微妙に變じていくことがこの帖につづられてゐます。

 さて、宴のあと人影も消えた夜更けに光源氏は、なんとか藤壺にあへないだらうかと、館の周りをさまよいます。どの扉も閉じてゐてダメですが、すぐ近くに弘徽殿の細殿があり、そこは戸口がひとつ開いてゐます。そっと忍び込むと中は寝静まつてゐます。
照りもせず 曇りも果てぬ 春の夜の 朧月夜に 似るものぞなき

 普通の女房とは違つた上品な氣配をただよはせて、この新古今集の名歌(大江千里)を詠んでゐる女性が來るではありませんか。

 光「おお、いい女だ」
 女「えっ、誰?怖いわ」
 光「怖くはないよ」

深き夜の あはれを知るも 入る月の おぼろけならぬ 契りとぞ思ふ
 
 歌で女性をくどきます。

 さあ、この女性、大變な女性なのです。

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このページは、宝徳 健が2017年1月30日 16:48に書いたブログ記事です。

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