煮るなり焼くなり好きにしてくれ(皇紀弐千六百七十六年一月三日 弐)

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 息子が帰省してゐます。やはり樂しいですね~。どんどんたくましくなる。でも、吉本を觀ながら、ケラケラ笑ふ姿は、子供の頃と何も變はつてゐません(笑)。

 親になるまで、親の愛情を眞險に考へたことがありませんでした。ありがたかつたのは事實ですが、當たりまえのやうに受け止めてゐました。親になると、父と母が注いでくれた愛情あふれるシーンを思ひだすことが多くなります。

 出光興産に入社した時、當時の出光は、上司が新入社員の親に手紙を書いてゐました。確かにお預かりしましたと。さすが家族主義でした。

 私の場合も當時の上司が書きました。父からその上司に返信が來たさうです(私は見てゐない)。
 上司が私に、「おい、寳德、お前の親父から來た返事にこんなことが書いてあつたぞ。『好きで入つた會社です。煮るなり焼くなり好きにしてくれ』とな」と云ひました。

 これを聞いた私は、父をとても誇らしく思ひました。父は常々、「男が命がけで仕事をしているときは、たとへ親の死に目でも歸つて來るな」と云つてゐます。

 死者に鞭打つつもりは毛頭ありません。誤解しないでください。

 もし、私が、若い時に、仕事で過勞死をしたり自殺したりしたら、父も母も、「私の死」は悲しんでくれるでせう。でも、過勞死をしたことや、自殺したことについては、「お前はなぜそんなに弱く育つたのだ」と嘆き、その弱い息子を育てた自分達を責めるでせう。父と母が、社會とか會社を責めることは考へられません。生きること自體が強さであれば時には逃げることもあつていい。

 私は、世界一の親ばかです。息子のことがかはいくてしかたがありません。でも、もし、息子がさうなつたら、同じ氣持ちになるでせう。この世の終はりぐらい、悲しみにのたうちながら。

 どうして我が國は、かうなつたのでせう。決して、悲しい状態になつた方々のことを申し上げてゐるのではありません。敗戰後の教育からかうなつてしまつた、我が國を嘆いてゐます。

 「一旦緩急(かんきゅう)アレバ、義勇公(こう)ニ奉(ほう)ジ、以テ天壌(てんじょう)無窮(むきゅう)ノ皇運ヲ扶翼(ふよく)スベシ」(教育勅語)

 我々臣民は、すめらぎの天壌無窮のためには死ねますが、自分のためには死ねないはずです(私も、苦しい時に考へたことがないかと云へば嘘になりますが)。

豊葦原の千五百秋(ちいほあき)の瑞穂の國は、
これ吾が子孫の王たるべき地なり。

爾(いまし)皇孫、
就(ゆ)きて治(し)らせ。
行矣(さきくませ)。

寶祚(あまつひつぎ)の隆(さか)えまさむこと、
當(まさ)に天壤と窮まりなかるべし

 天壌無窮の神勅です。「治(し)らせ」とありますね。これが我が國國體です。「支配をするのではないぞ。自分の命より臣民を大切にしろ」と戒めてゐます。統治と「シラス」は同義語です。支配とは違ひます。

 意味は、

豊かな葦原で、秋になると稲穂がたくさん稔る國は私の子孫が統治する地です。なんじ皇孫よ、これから行って統治しなさい。元気で行きなさい。寳祚(天皇の御位)が栄えることは、當然に天地と共に永遠で窮まりないことです。

 我が「皇(すめらぎ:皇祖皇宗以來連綿と續くシラスの國體と天皇)」を守るために、私たち臣民は生きてゐます。世界で唯一神話の世界から歴史が連續した、人間社會のこの奇跡を護るために。決して大げさではなく、大多數の敗戰前の日本人はかう思つてゐました。

 かの大戰の英霊たちがなぜ、命を投げ出してくれたかをもつと眞險に考へなくてはなりません。「すめらぎ」を護るためです。驚くべき髙く美しい精神性が我が國にはあつたのです。

 宗教ではありません。私たちにしか成し遂げられない美しい人間社會の在り方なのです。お願いだから死なないで。苦しかつたら、一時、逃げてもいいではないですか。

言霊(ことだま)を 幸(さきは)ひながら 護りきる 力を添へあふ シラスのすめらぎ

 皇居の新年拝賀式に9万人もの方々が來れたさうです。平成のシラス最後の年ですものね。 

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このページは、宝徳 健が2017年1月 3日 00:20に書いたブログ記事です。

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