日章丸事件 4(皇紀弐千六百七十七年一月廿四日 弐)

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 セブン・シスターズといふ本があります。私たちの時代は、石油業に関はる人間の必讀の書でした。セブン・シスターズ。まう、あまり聞かれなくなつた名前です。世界の石油資本を支配する七つの会社がかつてありました。メジャーと呼ばれてゐました。

 このセブン・シスターズの内、3社は、ロックフェラーが作ったSO(スタンダード」・オイル)が、シャーマン法(日本で云ふ獨占禁止法)により分割されたものです。なぜ、エッソといふ名の石油会社があるか(今は、エクソン・モービル)。「SO」→「エス・オー」→「エッソ」です。

 セブン・シスターズ
1.スタンダードオイルニュージャージー(後のエッソ石油 1999年にモービルと合併しエクソンモービル)

2.スタンダードオイルニューヨーク(後のモービル 同上)

3.スタンダードオイルカリフォルニア(後のシェブロン)

4.ロイヤル・ダッチ・シェル(オランダ60%、英国40%)

5.アングロ・イラニアン(後のBP'ブリティッシュ・ペトローリアム) この會社が今囘出てきます)

6.ガルフオイル(後のシェブロン 一部BP)

7.テキサコ(後のシェブロン)

 巨大と呼ばれる言葉では片づけられない資本に對し、日本の中小零細企業(當時)でしかなかつた出光興産㈱が挑み續けたのです。市場の開放のために。

 今年九十歳になる父が、命を懸けて残さうとしてゐるものの一つです。つづきです。原文ママです。 次囘は、私の母が登場します。
 英・石油メジャーのアングロ・イラニアン社(※BPの前身)は、積荷の所有権を主張して出光興産㈱を東京地裁に提訴し、同時に出光に対する処分圧力が日本国政府にもたらされた。

※BPは、イギリスに本社を置くエネルギー関連企業。国際石油資本であり、スーバーメジャーと呼ばれる6社の一社である。BPはBritish Petroleum(ブリティッシュ・ペトロリアム、正鵠石油)の略であったが、2001年(平成13年)に正式名称となった。

 イギリスによる石油独占を快く思っていなかったアメリカ合衆国の黙認や、喝さいを叫ぶ世論の後押しもあり、行政処分などは見送られた。裁判でも出光興産㈱側の正当性が認められ、5月27日仮差押え処分の申し立てが却下され、アングロ・イラニアン社は即日控訴するもの、10月29日になって提訴を取り下げたため、結果的に出光興産㈱側の勝利に終わった。これが世界の石油の自由な貿易が始まる嚆矢(こうし:物事のはじめ)となった。

 なお、イラン産石油の輸入は、この事件が石油メジャーの結束を招いたこともあり、1956年(昭和31年)に終了することになった。 つづく

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このページは、宝徳 健が2017年1月24日 03:12に書いたブログ記事です。

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