日章丸事件(皇紀弐千六百七十七年一月廿八日)

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 出張に出ると、朝寝坊してしまい、ブログが書けないことが多くなります。すみません。

 「眞に働く姿を顕現し國家社會に示唆を與へる」

 「かつての」出光興産㈱第二の定款と云はれたものです。つまり、出光で働く者は、國家社會に示唆を與へるレベルでないと働いたことにならないといふ崇高な経営目的です。そのためにどうすればいいか「立派な日本人」になればいいのです。

 入社してこの言葉を聞いたときに身が震えました。「そんなことが出來るのだらうか」と。考へ直しました「出來るかどうかではない、やるかどうかだ」と。

 経営には「経営目的」が絶對に必要です。

 目的→目標→手段 を一貫性を保つてブレイクダウンしなければ物事はうまくいきません。手段ばかり話してゐる會社が多い。

目的:目標よりも上位概念。目標を達成することで得られる望ましい効果
目標:目的達成のためにやるべきこと
手段:目標達成にためにやるべきこと

 日章丸事件は、まさに、國家社會に示唆を與へた事業でした。

 今年九十歳になる父が、命を懸けて遺さうとしてゐるものの一つをご紹介してゐます。つづきをお樂しみください。

 母を愛してやまなかつた父が、渾身の力を込めて母を書いてゐます。母の再登場です。

 働き方改革なんかをやっていたら、日章丸事件のやうな快擧はできません。「眞に働く姿を顕現し國家社會に示唆を與へる」ことなど不可能です。男子の本懐は、國家社會に身を捧げることです。
■話を進める前に、
 秋武の父と出光興産㈱ 出光計助専務は、東筑中学(東筑高校)の同級生。秋武の父は早稲田大学、出光計助氏は東京商科大学(一橋大学)に進んだ。

 汎子は、駐留軍博多キャンプに勤めていたが父親のコネで出光興産㈱に移っている。

 いまは、出光興産㈱は世界的な企業だが、戦後すぐは、出光興産㈱の名刺を出すと、なんと読むのですか、デコウサンですかと聞かれていたという。

 イランに石油を取りに行くには資金がいるが、日本中の銀行が小企業出光への融資に応じなかった。ただ一行、M県の小さなM銀行(いまは統合・合併でこの名の銀行はない)がOKした。

 今の皇居を望む帝劇ビルにある本社はその当時は銀座四丁目の歌舞伎座の隣にあった。今もその自前のビルはある。

 「評伝・出光佐三」の圧巻は、裁判引き延ばしを図る英国が「これをタイピングするのには時間がかかる」と、1週間の休廷を申し出たことに対し出光興産㈱の柳井弁護士が「当方にこれを一晩で英文に仕上げる優秀なタイピストがいる。ご希望ならそのタイピストを貴方(きほう)にお貸ししてもよい」と英国の提案を蹴ったことだ。

 柳井弁護士は、昼間は法廷に出て、夜 汎子が英文タイプを打っていたことを聞いていた私は、「お母さんのことが出ている」と言った。

 連日の徹夜続きで、家に帰ることができなかった汎子は4日目に倒れたと聞いていた。

 「日章丸事件」のときの出光興産㈱の凄さは、二十歳(はたち)の女性を機密保持のため拘束(帰宅させない)したことだ。 

母の話はまだまだつづきます。

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このページは、宝徳 健が2017年1月28日 09:00に書いたブログ記事です。

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