源氏物語50(皇紀弐千六百七十七年三月三日 弐)

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 人が來たので、扇を交換して別れた光源氏と女性でした。

「すてきな人だつたなあ」
 弘徽殿(こきでん)で會つたのですから、右大臣家の娘です。しかも若い。五番目か六番目。

 みなさん、覺へてゐますか? 光源氏の正妻 葵の上は、左大臣の娘です。左大臣と右大臣は政敵です。

 そして、弘徽殿の女御(こきでんのにょうご)は、光源氏を憎んでゐます。
 なんてことを。その敵の娘をわがものにしやうといふのですから、光源氏もなかなかのものです。

 そんなとき、右大臣家で藤の花の宴が催されました。光源氏も招待されました。帝にも出席を促されます。光源氏は、わくわくです。宴の最中、酔つて氣分が惡くなつたふりをして女たちが住む一画に忍び込みます。

 女たちにたしなめられますが、そんなことはお構いなし。交換し合つた扇のことで歌ひます。他の人間にはわかりませんが、あの女性だけはわかります。

 この女性は、右大臣の第六女であり、弘徽殿の女御の妹であり、東宮への入内が豫定されてゐる人でした。

 出會つたときの「朧月夜に似るものぞなき」に因んで、彼女のことを「朧月夜:おぼろづきよ」と呼びます。

 さてさて、ハラハラドキドキの戀の展開ですね。

 源氏物語は、このあたりから第九帖「葵」に移ります。

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このページは、宝徳 健が2017年3月 3日 06:18に書いたブログ記事です。

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