おもふこと うちつけにいふ をさなごの 言葉はやがて 歌にぞなりける
明治天皇の御製です。
「おもふことうちつけにいふ」は、情意を率直に表現するといふことです。なので、この歌全體の意味は、感動の率直な表現である幼児の言葉はそのまま歌になるよ、です。
をさなごは歌を知りません。でも、心を素直にすれば、歌が生まれてくると明治帝は仰ってゐます。だつて私たち日本人ですもの。
さて、三島由紀夫の文學的遺書である、小説とは何かを題材に正しい日本語を學習してゐます。少しずつ少しずつ積み重ねます。
そのほんの少し曲げられた軌道こそ、小説家をして小説家たらしめるものであり、自分の人生を含めた人生そのものを素材としたいといふ、危險で奇妙な選擇のはじまりなのである。
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