超譯 統帥參考 5(皇紀弐千六百七十七年五月十七日 七)

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 おそらく、明朝はブログが書けません。未明に起きて仕事をするからです。今のうちに書いておきます。

 いかに優秀な將帥も、敵に勝つことのできない者は將帥としての價値はない。敵に勝つためには、まず部下の信頼を獲得するとともに、これに確信を與へ、戰勝に對する熱烈なる信念のもとに、この部下を敵にに指向し、萬難を排してこの信念をつらぬかねばならない。戰勝を獲得するためには戰略・戰術の巧拙よりも、このことの方がはるかに重大な意味を持つ。
 私の書棚に、「海軍兵學校」「陸軍士官學校」の本があります。初めてみたときにびっくりしたのは、そのカリキュラムにおいて、軍事訓練よりも、「愼獨(しんどく:一人の時にあつても自分を律する力:リーダにとって欠かせない素養のひとつ)」の時間が長いのです。

 そうですよね。突撃~、と言っても、誰もついてこない人間性の上官では戰ひに勝つことができません。それどころかひどい人間性(菅直人とか鳩山由紀夫)の上官だつたら、後ろから撃たれる可能性だつてあります。

 翻つて今の、企業現場を考へると、「あいつは俺の言ふことを聞かない」といふ上司の言葉が飛び交わってゐます。自分のことをさておき。これが敗戰後の不埒な教育の結果なんです。

 戰爭で部下を死なせる上司のなんと多いことか。

 戰場における人間の最高欲求は「死なない」ことです。「あの指揮官についておれば死なない」といふ見込みがあれば、部下はどんな苦労をしてでもついていきます。

 戰場における指揮官にとつて大切な条件は「部下を殺さないこと」です。では、逃げてばかりいれば安全なのでせうか。 違ひます。戰場において死なない秘訣は、敵に勝つことです。敵に敗けたときの死傷は、敵を攻撃する場合の損害に比べて格段に大きいのです。

 國家(企業)が將帥に對する期待はの第一は「敵に勝つ(経営目的を達成する)」ことです。部下の根倍も死なないためには、それを期待します。企業現場では「敵の設定」がとても困難です(實際にはそうではないが)。だから、この感覺が薄くなります。

 だから、敵に勝つことができない者は、將帥としての價値はありません。では、「敵に勝ちさへすれば將帥としての價値がある」のか。さうではありません。 つづく

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このページは、宝徳 健が2017年5月17日 21:01に書いたブログ記事です。

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