戰國策 再7(皇紀弐千六百七十七年七月十二日 四)

| コメント(0) | トラックバック(0)
 蘇秦と張儀が出てきました。このいずれ書きますが、この二人には、とても面白いエピソードがあります。昔、一緒に学んだ蘇秦と張儀ですが、蘇秦が 先に出世します。合従(がっしょう)連合をもって、趙に重んじられていました。蘇秦は、せっかくつくりあげた合従連合が秦の横槍でくずれることを恐れま す。秦に気心の知れた人物を送り込んでおきたかったのです。さて、蘇秦は、どうしたのでしょうか。また明日書きます。  

 今日は「策士と策士」です。昨日まで張儀と陳軫の話をしましたね。二人は政敵です。二人の争いは、張儀が宰相に登用されてケリがつきました。陳軫 は結局、楚に出奔しました。やがて、楚と秦の間に紛糾が生じ、二人は作を戦わせます。
 斉が楚を助けて秦を攻め、曲沃(きょくよく)という土地を奪取しました。秦は斉に復讐をはたそうとしましたが、斉と楚の仲は親密で、手の出しようが ありません。秦の恵王は、それをなんとかしようとして、張儀に聞きました。

「斉に復讐したいが、斉と楚は親密だ。どうしたものだろうか」
「やってみましょう。車と費用をご用意ください」

張儀は、楚に行き、楚の懐王(かいおう)に説きました。

「わが君は、だれよりもあなたに好意をよせています。私も、誰よりもあなたに仕えたいと願っていました。わが君はまた斉王を誰よりも憎み、私もまた 斉王は大きらいです。先ごろ、わが君は斉王から重大なはずかしめを受けました。復讐したいと考えていますが、貴国は斉と親密にしておられる。協力していた だくわけにもいかず、わたしもあなたに仕えることができません。どうか斉との国交を断ってください。そのかわり、わが君に説いて、商於(しょうお)の土地 600里四方を献上させましょう。お国が手を切れば、斉は必ず弱くなります。あなたの言うままになるにちがいありません。斉を弱くし、秦に恩をほどこす。 そのうえ、商於の地まで手に入る。まさに一石三鳥ではありませんか」

 敵国に乗り込む外交官ですね。すごい度胸です。さあ、どうなることやら。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.soepark.jp/mot/mt/mt-tb.cgi/7000

コメントする

月別 アーカイブ

Powered by Movable Type 4.261

このブログ記事について

このページは、宝徳 健が2017年7月12日 08:24に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「どの本よりわかりやすい南総里見八犬伝 再30(皇紀弐千六百七十七年七月十二日 參)」です。

次のブログ記事は「上梓されました(皇紀弐千六百七十七年七月十二日 五)」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。