どの本よりわかりやすい南総里見八犬伝 再33(皇紀弐千六百七十七年七月十六日 四)

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 昨日は、これまでのあらすじでした。

 さて、信乃を亡きものにし願わくば銘刀村雨(むらさめ)を手に入れようとする蟇六(ひきろく)と亀篠です。さあ、どんな悪巧みを考えつくのでしょうか。

 
 その頃の政治情勢です。番作=信乃の主筋にあたる、前管領足利成氏は、古河城を攻め落とされて千葉にかくまわれていましたが、最近になって、両管領との和睦がなりたって、古河に戻りました。蟇六と亀篠は、信乃を呼んで言いました。

「いつも村の誰かが、そなたと浜路を早く娶わせよというが、知っての通りの政情不安で、世の中が落ち着かなくなったから、延期をしていた。今年は、成氏様と両管領が和睦され、成氏様が千葉から古河に帰られて政情も落ち着いた。大塚の家を興す絶好の機会ではないか。古河に赴いて、祖先の忠誠を訴えて、村雨丸を献上したら、覚えめでたきこと間違いないぞ。村長どころか陣代にしてもらえるかもしれん。善は急げだ、早いうちに出発するがいい」

 信乃は、額蔵から二人が陣代と浜路を娶わせようとしていることを聞いていましたので、さては、自分をさておき、留守の間に浜路を陣代に嫁入りさせるつもりだんなあと察しましたが、にっこり笑って承諾しました。そして、明日にでも出発することを告げました。

 蟇六と亀篠は、左母二郎に浜路を娶わせるから、信乃が持っている村雨丸を取り返す手伝いをして欲しいと持ちかけていました。それを、信乃が出立した前後にしようと考えていたわけです。その後、信乃は額蔵に殺させ、左母二郎が、浜路を陣代にやったことに文句を言ったら、陣代に言って、処刑してもらおうとしていたのです。

 さて、信乃が明日立つというのに、明後日にしろと亀篠はいいます。なぜでしょうか?
 つづく。

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このページは、宝徳 健が2017年7月17日 03:23に書いたブログ記事です。

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