どの本よりわかりやすい南総里見八犬伝 再36(皇紀弐千六百七十七年八月一日 四)

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 左母二郎(さもじろう)が、蟇六を裏切って自分の刀に銘刀村雨丸をセットしたところまででした。

 左母二郎が、銘刀村雨丸をセットしたところに船頭が舟にあがってきました。
 信乃は、蟇六と船頭が自分を溺死させようとたくらんだ芝居であることは見抜いていましたが、舟にいた左母二郎が村雨丸をすりかえようとは思いもしていませんでした。舟が岸に着くと、自分の両刀をとって、腰に差しただけで、夜のことなので、刀を抜いて確かめようともしませんでした。

 その晩、蟇六は従者として額蔵をつかわすことを決め、信乃と額蔵を呼んで、いっぱいやったのち、引き下がると、今度は村雨丸のすり替えがうまくいったことを亀篠と祝いました。念のために刀を抜いてみると、村雨丸の特徴である、水が滴り落ちていることが確認できました。これは、左母二郎が、鞘の中に川の水を入れておいたのです。

 信乃は、寝床に入りました。とろとろとまどろむと、誰かが来ます。「誰だ」と言って、飛び起き、よくみると浜路です。浜路は、優しい言葉をかけてもらいたかったのと、もしかしたら今生の別れになるかもしれないので、夫婦の契りを結びたいと言い出します。

 でも、信乃は、しばらくすれば戻れるからと、手を出しません。浜路は、たとえこの先どうなっても、私とあなたは夫婦ですといいます。

 折から世があけました。額蔵が信乃を迎えに来ます。浜路はあわてて自分の部屋に戻ります。

 この後、浜路を悲劇が襲います。つづく。

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このページは、宝徳 健が2017年8月 1日 10:24に書いたブログ記事です。

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