どの本よりわかりやすい南総里見八犬伝 再37(皇紀弐千六百七十七年八月五日 四)

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 信乃が古河に向かって出かけました。お供は蟇六(ひきろく)に言われ額蔵が付き従います。蟇六は、額蔵と信乃の心が結びついているのを知りません。もちろん、額蔵が八犬士の一人であることも。なので、蟇六は、額蔵に銘刀桐一文字(きりいちもんじ)を渡し、隙あれば信乃を殺せと命じました。
  蟇六と亀篠(かめざさ)は、たとえ額蔵がしくじっても、信乃の持っている刀は村雨丸ではなく、にせものなので、古河のお城で献上したとたんに、縛り首になるだろうと考えます。そうすれば、信乃がいなくなりますから、浜路を陣代のところまにお嫁にやることができます。出世はほしいまま。と、ほくそえみます。

 一方の浜路は、信乃が出て行ってしまったので、食事もとらずに塞ぎこんでしまいます。そこに亀篠がきて、信乃はあきらめて陣代と結婚するようにいいます。浜路は、びっくりして断ります。そこに蟇六がやってきます。お前がこの結婚を断ると、一族郎党みんな処刑されてしまう。どうせ処刑されるなら、自分がここで死ぬとばかりに、腹を切ろうとします(ポーズだけですが)。
 心優しい浜路は、結婚を承諾してしまいます。

 さて、結婚式の日がやってきました。

 みなさん、思い出してください。亀篠は、信乃を殺し村雨丸を手に入れようと、プレイボーイ左母二郎(さもじろう)に浜路を嫁にやると言っていました。左母二郎が村雨丸を黙って手に入れていることも覚えていますよね。

 結婚式の当日になって、村が大賑わいであることから、左母二郎は、「今日は、いったいなんで、こんなに盛り上がっているのだ」と村人に聞きます。村人は、「浜路様と陣代様の結婚式だ」と告げます。左母二郎は、怒り心頭です。浜路をかっさらって逐電することを決意します。もし、浜路が自分の嫁になるのが嫌だといったら、どこかで遊女にたたきうるつもりでした。

 さて、左母二郎は、蟇六の屋敷に偲んでいきます。すると、浜路が、庭で、首をくくろうとしていました。陣代との結婚を承諾したものの、嫌で嫌でしかたがない浜路は、死のうとしたのです。左母二郎は、チャンスとばかりに、浜路にさるぐつわをかませて、さらっていきました。

 さあ、浜路の運命やいかに。つづく。

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このページは、宝徳 健が2017年8月 5日 15:29に書いたブログ記事です。

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