どの本よりわかりやすい南総里見八犬伝 再40(皇紀弐千六百七十七年八月十五日 五)

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 妖しい行者が妖しい術を使って日の中に飛び込みました。村人が帰った後に、その場に駕籠が来たとことまででした。
 その駕籠は浜路をさらった左母二郎(さもじろう)の雇い駕籠だったのです。

 駕籠かきたちは、このさびしい場所で駕籠をおろして「おい、両刀をさした人さらい、このきれいな姉ちゃんはこちとらが頂戴してやるぜ。ついでに腰のものと路銀を渡して消えちまいな」と言い左母二郎を両方から襲いました。左母二郎は銘刀村雨丸を使って、駕籠かきたちをあっさりと切り捨ててしまいました。

 そこへ、蟇六(ひきろく)から命じられた追っ手の一人に追いつかれました。これも左母二郎は切って捨てます。さすがは村雨丸です。人を切った後に血をぬぐわなくて刃から噴出す水分によってきれいになります。

 左母二郎は、ひといきついたあと、残っていた柴を、火に投げ入れるとまたまわりはパッと明るくなりました。

 左母二郎は、駕籠の中から浜路を引きずり出して紐を解き放ち、泣き咽ぶ浜路に蟇六のたくらみ、自分の裏切りの話をしました。そして「この村雨丸を室町将軍に献上すれば立身出世は間違いないんだ。俺と一緒に暮らそう。贅沢の限りを味あわせてやる」と言いました。

 浜路は「もうこうなったら仕方がありません。これが私の前世からの定めなのでしょう。家にも戻れず信乃さまにも受け入れていただけず。せめてその村雨丸を見せてください」と言いました。

 さあ、浜路はこの村雨丸をどうするのでしょうか。そして浜路の運命はどうなるのでしょうか。つづく。

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このページは、宝徳 健が2017年8月15日 09:13に書いたブログ記事です。

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