源氏物語 67(皇紀弐千六百七十七年八月十七日 五)

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 桐壺院がおかくれになつて、宮中の勢力圖がすつかりかはつてしまひました。

 藤壺は弱い立場に陥ります。自分のことより、東宮を案じます。この件で光源氏に相談したいのですが、光源氏が思ひを寄せてくるので厄介です。
 藤壺の本心は「素敵な人」で、うつかりしてゐると立場も忘れて軆も心も傾けてしまひさうになります。でも、困ります。

 「あのことが世間に知れたら(東宮は實は、光源氏との子)」。

 なので「どうか私のことはあきらめてください」。

 なのに、光源氏は、藤壺の近くに忍んできます。藤壺は冷たくあしらひ、胸苦しさのために倒れてしまひます。光源氏は目の前が眞っ暗。判斷力を失ひ、うろたへます。夜が明けきってゐないのに、藤壺の部屋から出やうとしません。 つづく

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このページは、宝徳 健が2017年8月17日 04:51に書いたブログ記事です。

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