武安君(将軍白起)の諫言を聞かずに、別の将軍を派遣して、趙を攻めた秦の昭王です。
でも、その将軍は、苦戦に陥って五つの軍団を失いました。昭王は、武安君を派遣し ようとしましたが、武安君は病気を口実に辞退しました。
昭王は、武安君のもとに范雎(はんしょ)(以前にも出てきましたね)をつかわしました。范雎が武安君に言いました。
「楚は、領地五千里、兵力百万の大国。だが、先年、あなたはわずかの兵を率いて攻め入り、大都市を陥れて、廟をはき払い、さらに東の都市まで進撃し た。楚の者どもは、ふるえあがって逃げるばかり、あえて立ち向かってくる者がなかった。また、韓・魏と戦ったときは。相手は同盟して大軍を動員したのに、 あなたの兵力はその半分以下だった。それでもあなたは二カ国の大軍をうちやぶり、流血に大盾がただよい、二十四万人も殺すほどの大勝利をおさめた。それ以 後、韓・魏は今日まで鳴りをひそめている。それがあなたの功績だということは、誰知らぬ者はいない。
いまや趙は長平の戦いで兵力の七、八割を失い、国力が弱まっている。こんどわが国が動員した兵力は、趙軍の数倍もある。王はあなたを大将に任命 し、ぜひ趙をやっつけたい、といわれる。かつて少数の兵力であざやかに大軍を破られたあなたのこと、強力な軍を率いて弱敵にあたるなら、わけもないはず」
さあ、武安君はなんと答えるでしょうか。明日に続きます。
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