源氏物語 70(皇紀弐千六百七十七年九月二十八日 六)

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 右大臣家の娘であり、東宮の後宮に入つてゐる女御でもある朧月夜との密會を再開した光源氏です。東宮(皇太子)つて、光源氏と藤壺の間に産まれた子だよね(笑)?

 あるとき、朧月夜が體調を崩し、右大臣家に里帰りをしました。なんと、光源氏は、そこに足繁く通いはじめたのです。なんつう大胆な。
 ある夜の密會の最中、明け方に雷雨が襲つてきました。屋敷の中は大混亂。女房達も朧月夜の御簾近くに集まつてきます。光源氏は出るに出られません。歸るに歸れません。事情をよく知つてゐる女房が二人、ただおろおろするばかりです。朝が來て雷が去つて雨が小止みになると

「大丈夫か」

 いきなり朧月夜の父なる右大臣が樣子を観に入つて來て、御簾を挙げました。

「病氣はどうかな」

 ふと見ると男帯がありませう。懐紙に手習ひをしたためたやうなものが落ちてゐます。

「なんだこれは」

 まずいな~。 つづく。

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このページは、宝徳 健が2017年9月28日 08:59に書いたブログ記事です。

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