戰國索 再46(皇紀弐千六百七十七年十二月壱日 四)

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 中国の春秋戦国時代の逸話を載せた「戦国策」を紹介しています。今日の話も外交の冥利です。突拍子も無いことを言って相手の気を引き、十分関心を よんだところで、本題に入って行く。このように「相手が負けざるを得ない状態をつくる」のが外交なのでしょう。マネジメントも同じですね。  テーマは「三字の諫言」です。靖郭君とは、斉の国で特別な扱いを受けていた有力者です。当時の有力者が、何かのときのために才能ある者を囲っており、その囲われていた人を食客といいます。
 斉の宰相。靖郭君(せいかくくん)は領地の薛(せつ)に城を築こうとしました。食客たちが中止するように諌めました。靖郭君は、取次ぎの者に言いました。

「客人が来ても取り次ぐでないぞ」

 斉の者が取次ぎを請いました。

「三言だけ話したい。それ以上話したら、釜ゆでにされたもよい」

 靖郭君は、会ってみることにしました。男は小走りに入ってきて、「海(かい)・大(たい)・魚(ぎょ)」と言うなり、走り出ようとしました。

「待て」と靖郭君が声をかけました。

食客「わたしとてむざむざ死にたくはござらん」
靖郭君「かまわん。詳しく話して欲しい」
食客「大魚のことをご存知でしょう。何しろ大きいので、網にもかかりません。釣り上げることもできません。それほどの大魚でも、水から跳ね上がれば、あた ら虫けらの餌食です。斉の国はあなたにとっては水にあたります。これさえおさえておけば、薛に城を築く必要はありません。斉の国から離れたら、空までとど く城壁を築いたところで何の役にも立ちません」
靖郭君「なるほど」

 靖郭君は、城を築くのをやめました。

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このページは、宝徳 健が2017年12月 1日 08:57に書いたブログ記事です。

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