どの本よりわかりやすい南総里見八犬伝 再71(皇紀弐千六百七十七年十二月十七日 五)

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 夜中に自分を殺そうとした泥棒をやっつけて、その家の主の妻 船虫を呼んだ、悌の玉を持つ犬田小文吾(いぬたのこぶんご)でした。


仁:犬江親兵衛(いぬえしんべえ) 犬田小文吾の妹ぬいの子供
義:犬川荘助(いぬかわそうすけ) 大塚村で蟇六・亀篠夫婦に雇われていた額蔵


忠: 犬山道節(いぬやまどうせつ) 浜路の兄。不思議な行者。
信:犬飼現八(いぬかいげんぱち) 大塚村の信乃の隣に住んでいた糠助の子供。古河で、 信乃と対決して一緒に行徳に流れていった。
孝:犬塚信乃(いぬづかしの) 大塚村の番作の子供 浜路の許婚
悌:犬田小文吾(いぬたのこぶ んご) 行徳の旅籠屋の息子
 小文吾が何度船虫を呼んでも、船虫はきません。何回も呼ぶと、しぶしぶ船虫が手燭(てしょく)をもって現れました。灯の光でみれば、なんとそれは、この家の主人ではありませんか。

 小文吾は呆然としました。船虫は行灯をわきに置いて、さめざめと泣いていましたが、ようやく頭をあげて目をぬぐいながら言いました。

「わが夫ながら浅ましく恥ずかしい。武士の血を引いているのに貧すれば貪すとか。命の恩人を殺して金をとろうとするほどの悪人であろうとは、夫婦の私も思いがけませんでした」

 小文吾が村長のところに届け出ると言うと、船虫は「悪人でもわが夫。頓死ということにしてもらえませんか」と小文吾に言いました。

 さてさて、どうなることやら。この船虫はかなりの悪女です。つづく。

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このページは、宝徳 健が2017年12月16日 23:01に書いたブログ記事です。

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