泊めてもらった家の主が小文吾を殺そうとしたところを返り討ちにした小文吾でした。
自分の言うことを聞き入れてくれた主の妻 船虫は、小文吾に言いました。
「このご恩に報いるにはどうすればいいでしょうか。そうだ、何もございませんので、先祖伝来の尺八をでも」と奥からきれいな袋に入った笛を持ってきました。
尺八にたしなみのある小文吾がよくみてみると、宝物といっていいぐらいの古代の名笛でした。小文吾は断りましたが、船虫は是非にとの申し出、まずは、受け取りました。
船虫はお寺まで十町ばかりだから、すぐにもどってまいりますといって、あわただしく、空も白みかけて表に出て行きました。
小文吾は、その笛の小棚の奥に返しました。つづく。
「このご恩に報いるにはどうすればいいでしょうか。そうだ、何もございませんので、先祖伝来の尺八をでも」と奥からきれいな袋に入った笛を持ってきました。
尺八にたしなみのある小文吾がよくみてみると、宝物といっていいぐらいの古代の名笛でした。小文吾は断りましたが、船虫は是非にとの申し出、まずは、受け取りました。
船虫はお寺まで十町ばかりだから、すぐにもどってまいりますといって、あわただしく、空も白みかけて表に出て行きました。
小文吾は、その笛の小棚の奥に返しました。つづく。
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