戰國策 再60(皇紀弐千六百七十八年一月十九日 四)

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 今日から楚の話です。ほとんどの中国の古代国家が黄河の流域にあったのですが、楚は揚子江の流域です。つまり、南にあるので、他の国家からは南蛮と言われ、ちょっと蔑まれた見方をされていました。漢の高祖劉邦と覇を争った項羽も楚の出身です。

 今日のテーマは「虎の威を借る狐」です。中学校の国語の教科書に載っていましたね。なつかしい。
 楚の宣王が群臣にたずねました。
「北方の諸国が、我が宰相を恐れているそうだが、まことであろうか」

 群臣は黙して答えませんでした。そのとき、ある家臣が一人進み出ました。

「虎は獣を捕まえて食らいます。あるとき狐をつかまえました。ところが狐はさるもの『まて、おれは天帝から、百獣の王に任命されたのだ。おれを食らえば、天帝の命に逆らうことになる。うそだと思うならついてこい。おれを見れば誰だって逃げ出すから』
 そう言うならと、虎は狐の後について行きました。なるほど、行きあう獣はみな逃げ出します。獣たちは虎が恐いから逃げたのです。虎はそれに気づかず、狐を恐れて逃げたのだと思いました。
 さて、王よ。あなたは領土五千里四方の主、百万の兵力はあなたのものです。ところが王は、この兵力をすっかり宰相の手にまかせていらっしゃる。北方の諸国は狐である宰相を恐れているのではなく、虎である王の兵力です」(20091107)

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このページは、宝徳 健が2018年1月18日 21:52に書いたブログ記事です。

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