霞始靆(皇紀弐千六百七十七年二月二十六日)

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 二十四日から 七十二候 雨水 次候 「霞始靆」です。「かすみはじめてたなびく」と讀みます。

 霧やもやのため、遠くの山や景色がほのかに現れては消え、山野の情景に趣が加わる頃です。

ほのぼの と春こそ空に 来にけらし 天の香具山 霞たなびく
 後鳥羽上皇の御製です。新古今和歌集です。

 霞に季節をつけるとすれば「春」しかありません。霞は自然現象でいえば「霧」となります。伝統的な美の概念として平安時代から春立つものを「霞」、秋立つものを「霧」としてきました

村雨の 露もまだひぬ 槇の葉に 霧立ちのぼる 秋の夕暮れ

 百人一首で習ひましたね。「立ちのぼる」霧には明るさではなくしみじみとした寂寥感を感じます。

 「霞」を使えるのは春の特権とですが、實は昼間だけです。夜になると「朧(おぼろ)」といひます。源氏物語「朧月夜」の「朧」です。

 春の月といえば「朧月(おぼろづき)」です。広がった薄雲を通してみる月の輝きは春ならではです。春月夜、春満月と春は月にも「ほのぼの」ということばが似合ひます。「春の三日月は水をすくふ」といはれるくらい横に寝ています。夜空に舟を浮かべたようなお月さまが見られます。春の月を樂みませう。

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このページは、宝徳 健が2018年2月26日 08:38に書いたブログ記事です。

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