カウンセリングには三段階がありました(20100921)。
①リレーションをつくる
②問題の核心をつかむ
③適切な処置をする
①リレーションをつくる
②問題の核心をつかむ
③適切な処置をする
②の「問題の核心をつかむ」を勉強しています。問題の核心をつかむための、第一である「繰り返し」を引き続き見ていきます。
繰り返しは、受動的で柔和だから精神分析にはそぐわないのではないかという意見があります。そうお考えになる読者もいらっしゃるでしょう。でも、そんなことはありません。
繰り返しをするためには、枝葉末節の話には眼もくれず、ひたすら論旨をつかむ作業をする必要があります。この作業は、かなりの観察力・洞察力・感受性・分析力・知力を要します。「ふんわかムード」で繰り返しをしてもうまくいきません。
初心者のカウンセラーには、ニコニコ・ムードだけで言葉尻を、おうむ返しする人もいるそうですが、多くの場合は、会話が堂々巡りして深まらないようです。深まらないどころか、クライエントは心に触れてもらえないので、いらいらします。
心理学でよく使われる、繰り返しの笑い話があります。
ある研修会に出席した男性が、受付嬢に「あのう、トイレはどこでしょうか」と聞いたときに、受付嬢はニコッと笑って「あのう、トイレはどこか、知りたいわけですね」と応じました。笑ってしまいますが、実際のカウンセリングの現場ではよくあるようですよ。
実際に、私も昨日同じような経験をしました。今日の朝の出発時間がかなり早く、電車が利用できないので、今日の朝、車で事務所まで来るために、レンタカーで家に戻ろうと事務所から家まで、タイムシェアリングのレンタカーを予約しました。すると、予約時間30分前にレンタカー会社から電話がありました。
レ「前のお客様の、到着が遅れているので、15分ほど、宝徳さまにお乗りいただける時間が遅れそうなのですが」
宝「あ~、その程度なら別にいいですよ。では、そのお客様が着かれたら、電話をいただけますか。電話をいただいてから、車のところまで行きますので」
レ「かしこまりました。私、○○と申します」
でも、30分経っても電話はありません。そこで、また、レンタカー会社に電話しました。この会話に入る前に、私をよく知っている読者の皆様へ、まず誤解を解いておきます。私は、最近、この手のクレームで、相手をやりこめることはありません。そういうのはもう卒業しました。
宝「あの~、宝徳と申しますが、先ほど、かくかくしかじかの電話をいただいて、前のお客様の着かれるのを待っているのですが」
レ(別の担当者が出て)「えっ、少しお待ちください(といって5分近く待たされた)。宝徳さま、前のお客様は、定刻どおり着いていらっしゃいますので、どうぞ、お使いください」
宝「あの、ちょっと言っていいですか? 前の客様が着かれたら電話をいただく用になっていたのですが」
レ「少々お待ちください。(ここでまた3分ほど待たされる)。大変申し訳ございませんでした」
宝「あのね、ふたつ言っていいですか? 前のお客様が着かれたら電話をいただけるようになっていたことに対する回答になっていませんよ。それと、そちらの都合で変更になって、そちらのミスなのに、こちらから電話をしているのだから、一旦電話を切って、そちらからかけなおすことが客に負担をかけないということからも礼儀じゃないですか(あくまでもおだやかに)」
レ「はあ」
宝「申し上げていることわかりますか」
ここからが面白い。
レ「はい。前のお客様が着かれたら電話をすることになっているのに電話がなかったことに対する回答になっていなのと、こういうときは、一旦、電話をこちらが切って、かけなおすことが礼儀ではないか、ということですよね(ものすごーく、タンタンとした調子で)」
一年前の私なら、ぶちきれて、レンタカー代を無料にさせていたことでしょう(笑)。大人になったものだ。えっ? 結果はどうなったかって? 「そうですよ、気をつけてくださいね」と言って、気分よくレンタカーを借りました。カウンセリングを勉強していてよかった。
繰り返しって、なんでしょう?「繰り返し」は、言葉を繰り返しているような印象を与えますが、実は「心を」繰り返さなければなりません。したがって、声の質量がとても大切です。相手の心のリズムが繰り返しの言葉の中にこめられている必要があります。でないと、相手は自分の心と対決している気がしません。カウンセラーの発する「繰り返し」の言葉の響きはクライエントがあたかも自分と出会ったかのごとく感じる必要があります。
難しいって? そうでもありません。 入試の発表を見てきた子供が玄関に入るやいなや「パパ、受かったよ!」と叫ぶシーンを想像してみてください。パパは、飛び出してきて「受かったか!」とやりますよね。二人がひとつになっています。「繰り返し」=パパの心境と覚えておいてください。
次回から「問題の核心をつかむ」の第二、「明確化」を一緒に勉強しましょう。
繰り返しをするためには、枝葉末節の話には眼もくれず、ひたすら論旨をつかむ作業をする必要があります。この作業は、かなりの観察力・洞察力・感受性・分析力・知力を要します。「ふんわかムード」で繰り返しをしてもうまくいきません。
初心者のカウンセラーには、ニコニコ・ムードだけで言葉尻を、おうむ返しする人もいるそうですが、多くの場合は、会話が堂々巡りして深まらないようです。深まらないどころか、クライエントは心に触れてもらえないので、いらいらします。
心理学でよく使われる、繰り返しの笑い話があります。
ある研修会に出席した男性が、受付嬢に「あのう、トイレはどこでしょうか」と聞いたときに、受付嬢はニコッと笑って「あのう、トイレはどこか、知りたいわけですね」と応じました。笑ってしまいますが、実際のカウンセリングの現場ではよくあるようですよ。
実際に、私も昨日同じような経験をしました。今日の朝の出発時間がかなり早く、電車が利用できないので、今日の朝、車で事務所まで来るために、レンタカーで家に戻ろうと事務所から家まで、タイムシェアリングのレンタカーを予約しました。すると、予約時間30分前にレンタカー会社から電話がありました。
レ「前のお客様の、到着が遅れているので、15分ほど、宝徳さまにお乗りいただける時間が遅れそうなのですが」
宝「あ~、その程度なら別にいいですよ。では、そのお客様が着かれたら、電話をいただけますか。電話をいただいてから、車のところまで行きますので」
レ「かしこまりました。私、○○と申します」
でも、30分経っても電話はありません。そこで、また、レンタカー会社に電話しました。この会話に入る前に、私をよく知っている読者の皆様へ、まず誤解を解いておきます。私は、最近、この手のクレームで、相手をやりこめることはありません。そういうのはもう卒業しました。
宝「あの~、宝徳と申しますが、先ほど、かくかくしかじかの電話をいただいて、前のお客様の着かれるのを待っているのですが」
レ(別の担当者が出て)「えっ、少しお待ちください(といって5分近く待たされた)。宝徳さま、前のお客様は、定刻どおり着いていらっしゃいますので、どうぞ、お使いください」
宝「あの、ちょっと言っていいですか? 前の客様が着かれたら電話をいただく用になっていたのですが」
レ「少々お待ちください。(ここでまた3分ほど待たされる)。大変申し訳ございませんでした」
宝「あのね、ふたつ言っていいですか? 前のお客様が着かれたら電話をいただけるようになっていたことに対する回答になっていませんよ。それと、そちらの都合で変更になって、そちらのミスなのに、こちらから電話をしているのだから、一旦電話を切って、そちらからかけなおすことが客に負担をかけないということからも礼儀じゃないですか(あくまでもおだやかに)」
レ「はあ」
宝「申し上げていることわかりますか」
ここからが面白い。
レ「はい。前のお客様が着かれたら電話をすることになっているのに電話がなかったことに対する回答になっていなのと、こういうときは、一旦、電話をこちらが切って、かけなおすことが礼儀ではないか、ということですよね(ものすごーく、タンタンとした調子で)」
一年前の私なら、ぶちきれて、レンタカー代を無料にさせていたことでしょう(笑)。大人になったものだ。えっ? 結果はどうなったかって? 「そうですよ、気をつけてくださいね」と言って、気分よくレンタカーを借りました。カウンセリングを勉強していてよかった。
繰り返しって、なんでしょう?「繰り返し」は、言葉を繰り返しているような印象を与えますが、実は「心を」繰り返さなければなりません。したがって、声の質量がとても大切です。相手の心のリズムが繰り返しの言葉の中にこめられている必要があります。でないと、相手は自分の心と対決している気がしません。カウンセラーの発する「繰り返し」の言葉の響きはクライエントがあたかも自分と出会ったかのごとく感じる必要があります。
難しいって? そうでもありません。 入試の発表を見てきた子供が玄関に入るやいなや「パパ、受かったよ!」と叫ぶシーンを想像してみてください。パパは、飛び出してきて「受かったか!」とやりますよね。二人がひとつになっています。「繰り返し」=パパの心境と覚えておいてください。
次回から「問題の核心をつかむ」の第二、「明確化」を一緒に勉強しましょう。
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