カウンセリングの技法 再15(皇紀弐千六百七十八年三月三日 四)

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 カウンセリングには三段階がありました(20101002)。

①リレーションをつくる
②問題の核心をつかむ
③適切な処置をする

 リレーションを作るために「受容と支持」が必要でした。問題の核心をつかむために「繰り返し」「明確化」を勉強しました。

 ②の「問題の核心をつかむ」を勉強しています。前回から問題の核心をつかむための「質問」を一緒に勉強しています。今日は、質問の第四の要点以降を勉強しましょう。質問の最終回です。②問題の核心をつかむの最終回でもあります。

 前回は、好奇心も勉強しましたね。
 質問の第四の留意点は、相手の嫌がることはなるべく後回しにして、リレーションがついてから聴くことです。一番よいのは相手が自ら語ってくれるまで待つことです。

 でも、時間の制約でそれまで待てないこともあります。その場合は、こちらが好意を持っていることが相手に十分伝わっている、という確信がもてたときに、聴くのがよいでしょう。

 ただし、カウンセラーの側にそのことについて(たとえば、身体的欠陥、性的問題等)にこだわりがある場合はなかなか切り出せないものです。たとえば、部下の成績不振を指導しようとして呼びつけた上司が、一向に本題に切り込めないで世間話に終始することがあります。リレーションがついたならば、単刀直入に切り込んでください。でないと、クライエントは、真綿で首を締め付けられる想いになります。

 以上、カウンセリングの基本的技法として、「受容」「支持」「繰り返し」「明確化」「質問」の五つを挙げました。これらはいずれもこの順序で使うわけではありません。また、この五つがすべての面接でフルに使用されるというわけでもありません。

 いずれにせよ、この五つの技法を駆使展開するうちに、おのずからリレーションは成立し、問題の核心はクローズアップされてきます。問題の核心とは、今困っていることの原因か、今困っていることの具体的局面か、のことです。

 たとえば、登校拒否の場合、クラスの生徒にいじめられているというのであれば、それが問題の核心です。「人前で話せない」と訴える場合、人前といっても生徒・父兄の前なら平気で、同僚の前で話すのが苦手というなら、それが問題の核心です。

 次回から、この問題をどう処置するかという新しいステージにはいっていきます。

 私たち日本人は、戦後の誤った教育を受けてきたため、人間が信じられないくらい弱くなっています。こんな言い方はなんだと思うのですが、私も含めて、一億総クライエントといっても過言ではないでしょう。

 ですから、このカウンセリングの技法を読んでも「そうは言っても」と思われる方も多いと思います。私自身もそうです。

 極力原理原則に沿って書きますので、原理原則をおかしいと思うのではなく、自分の身を振り返る材料としていただければ幸いです。

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このページは、宝徳 健が2018年3月 3日 05:14に書いたブログ記事です。

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