オルフェウス 1(皇紀弐千六百七十八年三月五日 四)

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 「どの本よりわかりやすいギリシャ神話」の番外編です。

  ギリシャのテッサリア地方にオルフェウスという男が住んでいました。彼は神アポロンとムーサイのひとりカリオペの間に生まれました。オルフェウスは毎日、金の竪琴を彈いては誰もまだきいたことのないステキな歌ひました。彼が歌ふたびに、鳥や獣がその歌を聽きに集まります。木々は頭を下げ靜かに聞き入つてゐました。空の雲さへその歌を聽くといちさう美しく輝き、小川の水までも彼の歌に合はせてやさしい音をたててサラサラと流れました。

 彼は多くの人に音楽の名人として慕はれましたが、アルゴー船の遠征に加はつて手柄をたててので、全ギリシャで有名になりました。

 オルフェウスにはエウリュデケという妻があり、二人は心からお互いのことを愛していました。彼は日々妻の為に竪琴を奏でて歌ひました。すると、エウリュデケはオルフェウスと並んで草原に腰を下ろして彼の曲に聞き入つてゐました。それはそれは仲の良い夫婦でした。
 ところがある日、エウリュデケが川岸を散歩しているうちに草の中の毒蛇を踏みつけてしまひました。蛇は怒つてエウリュデケに噛みつき、彼女はたちまちその蛇の毒で倒れました。「心から愛しているあなたと別れるのは本當につらいわ」と言葉を残し彼女は息絶えました。

 愛するエウリュデケを失つたオルフェウスの哀しみは深く、彼は嘆き悲しみのあまり、もう二度と竪琴をひくまい、二度と口を開いて歌う事もしないと決心しました。竪琴も歌も全てエウリュデケの爲だたたのだから・・・・・。 つづく

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このページは、宝徳 健が2018年3月 5日 12:19に書いたブログ記事です。

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