カウンセリングには三段階がありました(20101113)。
①リレーションをつくる
②問題の核心をつかむ
③適切な処置をする
①リレーションをつくる
②問題の核心をつかむ
③適切な処置をする
リレーションを作るために「受容と支持」が必要でした。問題の核心をつかむために「繰り返し」「明確化」「質問」を勉強しました。適切な処理をするために、情報提供とアドバイスがありました。
この体系だけでも頭においてくださいね。人と接するときにずいぶん違います。
今日も面接初期の留意事項です。
⑤敏感な箇所への質問
クライエントが聞かれて嫌がるような箇所には面接初期には触れない方が得策です。抵抗が起きるからです。抵抗が起こるとその後の面接の発展が阻止されます。聞かれて嫌がる箇所は、たとえば、セックス、容姿、収入などです。それは、面接をしながら感覚的にキャッチするしかありません。問題の性質からすると当然触れなければならないのに一向にクライエントがそれについて語る風がない、あるいは、語ってはいるが、今ひとつ具体性に欠けるというのが感覚的にキャッチする手がかりです。
クライエントが触れられたくなさそうなトピックは、クライエントとの間にリレーションがついてから触れるほうがよいのです。すなわち、カンセラーがクライエントに好意を持っていることが伝っている、そして、クライエントもカウンセラーに好意を持っている、この二条件が確認された時点で触れるのが好ましいのです。
もっと好ましいのは、クライエントが自らそのトピックに自発的に触れることです。
⑥他者への弁護あるいは非難
クライエントが、親、上司、配偶者、他のカウンセラーの悪口を言った場合「別にあなたが憎くて言ったわけではないと思う」「多分、当時、上司は上司で悩みがあったのでしょう」などと弁明めいた言い方はしない方がよいのです。このカウンセラーも親や上司とぐるになって私を戒めていると解釈されてしまいます。
カウンセラーはクライエントの味方です。クライエントは人生で終始私の側に立ってくれる人がいると思うとき、人生に自己を打ち出す勇気も出てきますし、自ら行動を変容しようとの意欲や責任感も出てくるからです。
しかし、クライエントに調子を合わせて「たしかに君の親はおかしい」と親を非難するのも好ましくありません。クライエントは、他者を非難しつつも一方ではプラスの感情を秘めていることが多いからです。すなわち、愛・憎・信・嫌悪・愛着など相反する感情を共有していることが多いので、たとえば自分の親がおかしいと非難されると親を弁護したくなるのです。また、妻の悪口をいう亭主でも他人に妻の悪口を言われると不快になります。このように相反する感情を共存させている心理を「アンビバレンス」といいます。
それゆえカウンセラーがクライエントの親、配偶者、会社、出身校、友人などアンビバレンスの対象を非難すると、クライエントに罪悪感をもたせ(例:「妻の悪い口を言って申し訳なかった」)、それ以上ネガティブな感情を表明しなくなります。あるいは、自分の親や配偶者の悪口を言ったカウンセラーに敵意・反感を持つようになります。
クライエントが他者の悪口を言うとき、カウンセラーがこれに同調しない方がよい理由がもうひとつあります。それは事情を詳しく知りもしないで、クライエントの話だけで簡単に信じ込んでしまうカウンセラーの軽薄さが、カウンセラーへの信頼感を失わせるからです。カウンセラーはクライエントの超自我の存在です。依存の対象であり、畏敬の対象であり、模倣の対象です。そのカウンセラーがクライエントの言動に容易に感化されるのは、クライエントにとっては頼りない話です。
親として、上司としても、思い当たることがありますよね。
次回から、面接中期の諸問題です。
クライエントが聞かれて嫌がるような箇所には面接初期には触れない方が得策です。抵抗が起きるからです。抵抗が起こるとその後の面接の発展が阻止されます。聞かれて嫌がる箇所は、たとえば、セックス、容姿、収入などです。それは、面接をしながら感覚的にキャッチするしかありません。問題の性質からすると当然触れなければならないのに一向にクライエントがそれについて語る風がない、あるいは、語ってはいるが、今ひとつ具体性に欠けるというのが感覚的にキャッチする手がかりです。
クライエントが触れられたくなさそうなトピックは、クライエントとの間にリレーションがついてから触れるほうがよいのです。すなわち、カンセラーがクライエントに好意を持っていることが伝っている、そして、クライエントもカウンセラーに好意を持っている、この二条件が確認された時点で触れるのが好ましいのです。
もっと好ましいのは、クライエントが自らそのトピックに自発的に触れることです。
⑥他者への弁護あるいは非難
クライエントが、親、上司、配偶者、他のカウンセラーの悪口を言った場合「別にあなたが憎くて言ったわけではないと思う」「多分、当時、上司は上司で悩みがあったのでしょう」などと弁明めいた言い方はしない方がよいのです。このカウンセラーも親や上司とぐるになって私を戒めていると解釈されてしまいます。
カウンセラーはクライエントの味方です。クライエントは人生で終始私の側に立ってくれる人がいると思うとき、人生に自己を打ち出す勇気も出てきますし、自ら行動を変容しようとの意欲や責任感も出てくるからです。
しかし、クライエントに調子を合わせて「たしかに君の親はおかしい」と親を非難するのも好ましくありません。クライエントは、他者を非難しつつも一方ではプラスの感情を秘めていることが多いからです。すなわち、愛・憎・信・嫌悪・愛着など相反する感情を共有していることが多いので、たとえば自分の親がおかしいと非難されると親を弁護したくなるのです。また、妻の悪口をいう亭主でも他人に妻の悪口を言われると不快になります。このように相反する感情を共存させている心理を「アンビバレンス」といいます。
それゆえカウンセラーがクライエントの親、配偶者、会社、出身校、友人などアンビバレンスの対象を非難すると、クライエントに罪悪感をもたせ(例:「妻の悪い口を言って申し訳なかった」)、それ以上ネガティブな感情を表明しなくなります。あるいは、自分の親や配偶者の悪口を言ったカウンセラーに敵意・反感を持つようになります。
クライエントが他者の悪口を言うとき、カウンセラーがこれに同調しない方がよい理由がもうひとつあります。それは事情を詳しく知りもしないで、クライエントの話だけで簡単に信じ込んでしまうカウンセラーの軽薄さが、カウンセラーへの信頼感を失わせるからです。カウンセラーはクライエントの超自我の存在です。依存の対象であり、畏敬の対象であり、模倣の対象です。そのカウンセラーがクライエントの言動に容易に感化されるのは、クライエントにとっては頼りない話です。
親として、上司としても、思い当たることがありますよね。
次回から、面接中期の諸問題です。
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