カウンセリングの技法 再34(皇紀弐千六百七十八年五月十二日 參)

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 カウンセリングには三段階がありました(20101126)。

①リレーションをつくる
②問題の核心をつかむ
③適切な処置をする

 リレーションを作るために「受容と支持」が必要でした。問題の核心をつかむために「繰り返し」「明確化」「質問」を勉強しました。適切な処理をするために、情報提供とアドバイスがありました。これがカウンセリング体系です。

 面接中期の留意点を続けます。前回から抵抗を解説しています。

 前回は、陰性感情移転まで説明しました。
 
 あるカウンセラーが体験した例にこのようなものがあります。
 
 何回面接をしても、症状の訴えを繰り返すだけの青年がいました。やがてわかったことは、この青年は思春期になって父が籍に入れていないことを知りました。父にだまされていたというのです。それゆえに、そのカウンセラーに対しても不信感があり、自己が開けないのだと告白しました。この感情移転が明らかになってからは症状の訴えを繰り返さなくなりました。

 要約すれば、クライエントの側に抵抗のある原因があると思われるときは、まず、①抵抗していることに気づかせる。②その原因を一緒に解明(多くの場合感情移転ですが)していく。③そのことについて率直に話し合う。ことです。すなわち、カウンセラーは父ではなく、カウンセラーはカウンセラー、父は父であると、両者を識別させることです。

 ここに気づいているのに、気づいていないフリをするとクライエントにすぐさま見破られてしまいます。カウンセラーの勇気のもちどころです。

 これを避けて、次のような会話をすると最悪です。カウンセリングだけではなく、部下や子供と接するときにも参考にしてください。

「何かあなたと話していても、今ひとつ心に響くものがないんです・・・。何かあなたの言いたいことが伝わってこないのですが・・・。私のこんな印象について、あなたはどう思いますか?」

「いつも同じ話ばかりで、どうも話しに進展がないと思うのですが・・・。」

「ずいぶん何回も話し合ったと思うのですが、何か私に対してあなたは、今ひとつ打ち解けないものがあるみたいなんですが・・・。私の誤解かなあ」

 話を聞くほうが、抵抗から逃げていながら、相手に、「お前は抵抗しているぞ」と暗に伝えているようなものです。ズバっと行くときは行きましょう。では。

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このページは、宝徳 健が2018年5月12日 08:53に書いたブログ記事です。

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