カウンセリングの技法 再47(皇紀弐千六百七十八年六月七日 五)

| コメント(0) | トラックバック(0)
 カウンセリングには三段階がありました(20101228)。

①リレーションをつくる
②問題の核心をつかむ
③適切な処置をする  リレーションを作るために「受容と支持」が必要でした。問題の核心をつかむために「繰り返し」「明確化」「質問」を勉強しました。適切な処理をするために、情報提供とアドバイスがありました。これがカウンセリング体系です。

 今日から、面接後期の諸問題です。
  クライエントがカウンセラーの援助なしで独立独歩できそうな気配が見えてくるのが面接後期です。その気配はどこを観察すれば読み取れるのでしょうか?どのように面接を終結にもちこむのがよいのでしょうか。ここでは、この二つが大きなテーマになります。

 面接を終えてもよい時期になると、次のような状況が現れてきます。

自己受容
 今まで「自分はだめだ」「自分は不幸だ」「自分は人に好かれない」「自分は頭が悪い」など自分を卑下し自己非難し、ネガティブな自己概念を語っていた人が、だんだん自分を肯定するようになります。「自分は頭はよくないが誠意のある人間だ」「自分ほどみじめな人間はいないと思っていたが、世の中にはそんな人はいくらでもいる」「自分は人に好かれない人間だと思っていたが、私の出方ひとつで人の態度も変わるものだ」など、自分を受け入れるようになります。

 思い込みの自分(idealized self )と、あるがままの自分(actual self)がだんだん近づいてきます。

他者受容
 自己嫌悪が減少してきます。自分を受け入れることができるようになると、付随的に他者をも受け入れるようになります。すなわち、他者への非難が減少してきます。「父はガンコな人間だと憎んでいたが、父も不幸な人だったのだ」「あの上司は私をいじめたが、考えてみれば私に対して劣等感があったのだ」など、人をとがめる気持ちが減ってきます。

 つまり、自己受容と他者受容には相関関係があるのです。換言すれば自己嫌悪の強い人ほど他者に対する好き嫌いが極端になるということです。

 他者受容は、しかし、自己反省ではありません。「私が悪かった、あの人が正しかった」と相手を認めるのとは違います。「なるほど、こういうわけであの人はこうしたのか」「なるほど、「あの人はそういう考え方だったのか」と相手を理解した心境です。

 相手を心から放つ、心の中で握り締めない心境と言っていいでしょう。

 この言葉よいでしょ? 相手を心から放つ、心の中で握り締めない。部下指導や子育てにも役立つ言葉です。

 まだまだ続きます。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.soepark.jp/mot/mt/mt-tb.cgi/7687

コメントする

月別 アーカイブ

Powered by Movable Type 4.261

このブログ記事について

このページは、宝徳 健が2018年6月 6日 22:30に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「戰國策 再87(皇紀弐千六百七十八年六月七日 四)」です。

次のブログ記事は「源氏物語 再34(皇紀弐千六百七十八年六月七日 六)」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。