貞観政要 再5(皇紀弐千六百七十八年六月二十六日 四)

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 唐の二代目 太宗の行った治世が貞観の治です。徳川家康も参考にしています。そのことについてかかれたものが「貞観政要」です(20090622)。

 今日は、「何の代にか賢なからん」です。

 貞観二年、太宗は宰相に語りかけました。

「政治の安定をはかるには、人材の確保が先決である。先日来、そなたにすぐれた人材を推挙するように命じてきたが、まだ一人も推薦してこないではな いか。天下の政治は一刻もゆるがせにできない重大事である。どうかその苦労を私と分かち合ってほしい。そなたが言ってくれなければ、いったい誰を頼りにす ればよいのか」

「わたくしもご期待に応えるべく精一杯つとめていますが、なにぶんにも今の時代、これといった人材を見出すことができません」

太宗が言いました。

「古来、名君はそれぞれの器量に応じた人材を使った。しかも当代の人間を登用したのであって、他の時代から借りてきたわけではないのである。殷の高 宗が、夢のおかげで傅説(ふえつ 人の名前)を見出したとか、周の文応が太公望と出あったとか、そんな話に期待して悠長に構えていることは許されない。ど んな時代にも、すぐれた人材はいるはずである。ただわれらの方がそれに気づかないだけのことではないか」

 宰相は顔を赤らめながら退出しました。

【所感:宝徳(これは私見です)参考の本とはまったく違う解説です。】
 企業経営の永遠かつ最大の課題ですね。とにかく事業は人です。驚くことに、この考え方を否定的にとらえる経営者が多いのです。私の頭の中は「???」だ らけです。収益や生産性を向上させようとすればするほど、以下に人材、人物の育成、存在が大切かがわかります。人の心が成長しないと継続的な収益確保はム リです。
 中小零細企業は、人的経営資源が限られています。じっくり育てることが収益的には困難なケースが多いことも事実です。でも、「人を育てたい」「優秀な人 間を確保したい」と考えながらその困難に耐えるのか、困難が故に「やっぱりだめだ」と考えるのでは、3年後、5年後の姿が、まったく違ってきます。あきら めないということは、経営者の絶対的に必要な力です。

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