ひさしぶりの掲載です。貞観政要のテーマは「守成は創業より難し」です。コンサルティングをやっていくと、本当にこれはそうだと思いますね。企業を維持して行くことは素晴らしい仕事です。だから、企業の第一の使命が「ゴーイング・コンサーン(継続企業)」なのでしょう。
今日のテーマは「政を為すの要は人を得るに在り」です(20090810)。
貞観二年。太宗が側近の者に語りました。
自分から逃げる人間は、これをやってもだめです。もっと、根深い教育が必要となります。こういう人間を幹部にしてはいけません。
「政治の要諦は、なによりもまず人を得ることにある。資質に欠けた者を登用すれば、必ず政治を混乱させてしまう。これから人材を登用するにあたっては、徳行と学識の二つを基本とすべきである」
側近のひとりが答えました。
「臣下たる者、学問がなければ、先人の言行を知ることができません。したがって、国政に任じて重責を果たすこともできません。漢の昭帝のときのこ と、「われこそは衛太子なり」と名乗り出た男がいました。衛太子とは、先帝の不興を買って、自害したはずの人物です。男のまわりを見物人が数万人も取り囲 んで、大変な騒ぎになりました。人々は「どうしたものか」と途惑うばかりです。そこへ、役人が駆けつけ、ウムをいわさず。その男をひっとらえて、獄に投じ ました。その役人によれば、このときの処理は春秋時代に起こったある事件の先例にならったということです。昭帝はこの措置をいたく歓び「大臣宰相には、学 問があって歴史によく通じている者を登用しなければならない」と語りました。このような人物こそ得がたい人材であります。文章を記録するだけの、小役人で は役に立ちません」
太宗が答えました。
「そのとおりだ」
【所感:宝徳(これは私見です)参考の本とはまったく違う解説です。】
中小零細企業において、「人」の問題は、頭の痛いところです。しかし、基礎力がない人間を、幹部の座につけてしまうと、これまたたいへんです。経営者の仕事が倍になってしまいます。もちろん、ヘッドハンティングという方法もありますが、時間がかかります。
教育しかありませんが、教育をしたあとの、普段の仕事のさせ方に注意する必要があります。ちょっと、いらいらしますが、「考えさせる」ことです。指示・
命令しても、「考える力」がないと、仕事がうまくいきません。そうなると、悪魔のスパイラルで、どんどん指示・命令で動かそうとして、経営者はたいへんな
ことになります。何度も押し返して考えるくせをつけさせてください。
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