そうだ。ウーチャンのことでしたね。お兄さんは、上級生で軆體も大きく喧嘩も強い人でした。當時、たくましい兄が上級生にゐるといふことは、自分自軆のかなりの安全保障になりました。私は姉です。兄が慾しくて慾しくてしかたがありませんでした。
中學に入りたての私は、そんなに喧嘩が強くありませんでした。新聞配達の給料で、家に入れる以外の部分を溜めていろいろなものを賈ひました。14オンスのボクシンググローブ(シャドウボクシングをしていた)、木刀(素振り)をしました。腕立て伏せもたくさんやりました。そんなんで自分を鍛えますが、たかが知れてゐます。あの中學にいたとき、もっとも思ったのは、
力なき正義は正義にあらず
です(笑)。
まあいいや(笑)。そうだ。新聞配達のお金で初めて賈つたのはラジオでした。スイッチを入れると聞こえてきたのが、カーペンターズのイエスタディワンスモアでした。カーペンターズを知らなかった私は、アメリカ人の女性はなんときれいな歌聲なんだらうと感激しました。
そんな中學生活の中でなぜか仲良くなったのが、ウーチャンでした。武谷君。軆體は小さいですが、根性あり。喧嘩もあの中学で生きていけるぐらいは強かった。でも、やさしい人間でした。なぜか私に聲をかけてくれて、よく遊んでゐました。
中學浪人も一緒にしました。ある日、ウーチャンが髙進學與備校に出てこなくなりました。次の日から毎朝、毎朝、ウーチャンの家に迎えに行きました。「ウーチャン、行こう。來なきゃだめだって」。ウーチャンは來てくれました。懐かしいなあ。もう一度會ひたいなあ。
さて、中學後半から體力がついて、髙校に入ったらバリバリになった私の、生意気で仕方がない髙校時代の日誌のつづきです。
10/10
普通の高校生と同じような生活を望んではいけない。常に厳しくあれ。血を吐くような努力をし、苦しⅡの中からよろこびを見つけるようにせよ。この世で頼れるのは自分の力だけである。負けたくなかったら強くなれ。どたん場に立った時にその力がわかる。強くなれ、強くなれ。
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