源氏物語 74(皇紀弐千六百七十八年九月二十三日)

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 源氏物語はとてもミステリアスです。作者が通称「紫式部」といふことはわかつてゐますが、本名も生まれた年も亡くなった年もわかりません。

 千八年十一月一日に、源氏物語が書き繼がれてゐた事實は判明してゐます。なので、十一月一日が

古典の日

です。

 源氏物語は、書かれた直後から、いくつもわからないことが發生し、その都度謎解きがなされてきました。

 さて、つづきです。



 ここで朝顔の君のことに触れなければなりません。

 桐壺帝の弟の娘(つまり、光源氏のいとこ)です。やんごとなき方です。その朝顔の君に、光源氏はアタックします。

わきてこの 暮れこそ袖は 露けけれ もの思ふ秋は あまてへぬれど

 寂しい思ひはたくさん經驗してゐるけど、今日の夕暮れはことさらに涙でそでが濡れてしまふ。

の歌を送ります。

 朝顔の君の返歌です。

秋霧に 立ちおくれぬと 聞きしより しぐるる空も いかがとぞ思ふ

 寂しい秋霧の季節に奥方樣を亡くされたとお聞きしました。しぐれる空の下でどんなに悲しい事でせうか。

 他人行儀ですね~。

 さあ、このやり取りが弘徽殿女御(こきでんのにょうご 今は、太后です)の耳に入ります。

 さてさて。  つづく


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このページは、宝徳 健が2018年9月23日 08:09に書いたブログ記事です。

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