源氏物語はとてもミステリアスです。作者が通称「紫式部」といふことはわかつてゐますが、本名も生まれた年も亡くなった年もわかりません。
千八年十一月一日に、源氏物語が書き繼がれてゐた事實は判明してゐます。なので、十一月一日が
古典の日
です。
源氏物語は、書かれた直後から、いくつもわからないことが發生し、その都度謎解きがなされてきました。
さて、つづきです。
ここで朝顔の君のことに触れなければなりません。
桐壺帝の弟の娘(つまり、光源氏のいとこ)です。やんごとなき方です。その朝顔の君に、光源氏はアタックします。
わきてこの 暮れこそ袖は 露けけれ もの思ふ秋は あまてへぬれど
寂しい思ひはたくさん經驗してゐるけど、今日の夕暮れはことさらに涙でそでが濡れてしまふ。
の歌を送ります。
朝顔の君の返歌です。
秋霧に 立ちおくれぬと 聞きしより しぐるる空も いかがとぞ思ふ
寂しい秋霧の季節に奥方樣を亡くされたとお聞きしました。しぐれる空の下でどんなに悲しい事でせうか。
他人行儀ですね~。
さあ、このやり取りが弘徽殿女御(こきでんのにょうご 今は、太后です)の耳に入ります。
さてさて。 つづく
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