貞観政要 再24(皇紀弐千六百七十八年九月二十六日 弐)

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 またまた、太宗と魏徴の会話です(20100227)。
 貞観十六年、太宗が魏徴に尋ねました。

「見たところ、これまでの帝王のなかには、子孫に位を伝えること十代の永木に及んだ者もいれば、わずか一代、二代限りで終った者もおり、極端な場合は、みずから得た帝位をみずから失ってしまった者もいる。そんな例を見るにつけても心配でならない。それゆえ、まだ十分に人民を慈しんでいないのではないか、感情に走って我がまま勝手なことをしているのではないかと、いつも心を痛めている。しかし、自分のことは自分ではわからないものだ。どうかそなたの意見を聞かせてほしい。どんなことでも、心して守っていきたいと思う」

 魏徴が答えました。

「欲望や喜怒の感情は、賢者も愚者も同じように持っております。しかし賢者はそれをうまく押さえ、過度に発散させることはしません。ところが愚者はそれを押さえることができず、身の破滅を招くのです。陛下はこの上なく深い徳をお持ちになり、泰平の世にありながら、常に危難のときに思いを致して心を引き締めておられます。どうかこの上はいっそう自戒されて、有終の美を飾られんことを願います。さすれば、我が国は万世の長きにわたって陛下のご恩をこうむることになりましょう」


 こういうものを知ると、日本の天皇家がいかにすごいかがわかりますね。身を慎むなんてレベルじゃなくて、私を無くすレベルです。

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このページは、宝徳 健が2018年9月25日 20:51に書いたブログ記事です。

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