藤原定家が最初の源氏物語プロジェクトを立ち上げてから約八百年。今でもその試みは續いてゐるのです。源氏物語に憑りつかれた人々によって。
さあ、源氏物語に挑戦するとともに、以前にも紹介しましたが、この本により、その源氏物語に憑りつかれた人間たちのことも學びませう。
さて、光源氏は、他人の処分されるなら自ら軆を引くことを考へます。都から、脱出する間を取り次ぐやうな帖が 第十一帖 花散里 はなちるさと です。
光源氏は、こんな心境のときには、ゆるやかな接触が懐かしいなあと感じます。そして、一人の女性を思ひ出します。
まずは、麗景殿女御(れいけいでんのにょうご)。桐壺帝の寵愛を受けてゐましたが、桐壺帝がみまかつたあと、光源氏が面倒をみてきました。若くはありませんが、桐壺帝との思ひ出を語るには最適です。
この人の妹が 花散里 です。三の君とも呼ばれ、今は姉と一緒に住んでゐますが、宮中に合ったときには、光源氏の訪れを待つ仲で、そこそのの關係です。
光「あの姉妹のところに行ってみるか。
そこは橘の白い花が散る里です。だから、花散里。さて、どうなることやら。
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