どの本よりわかりやすい千夜一夜物語 9(皇紀弐千六百七十八年九月三十日 六)

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 アジブト少年の樂しいひと時が瞬く間に過ぎ、つひに、四十日目を迎へました。
ア「いよいよ今日が最後の日だね」
少「はい、どうやら無事だったやうです」
ア「よかった、よかった。ここまでくれば心配ない。何か食べたいものはあるかね?」
少「では、西瓜を一切れ」

 アジブがナイフを取り西瓜の皮をむこうとした瞬間、足が滑ってしまひました。

ア「あっ!」

 聲をあげましたが、もう遅い。ナイフを持ったまま少年の上に倒れてしまひました。ナイフは少年の胸を貫いてゐました。少年はこときれました。

 アジブは必死に逃げて、地下室の穴を出たとき、沖合に船がみえました。老父が奴隷たちと一緒に島へ戻ってきたのです。

 穴に入った一行が戻ってくるのには時間はいりませんでした。老父の憔悴しきった顔は目を覆ふばかり。奴隷たちが少年の死骸を船に乘せました。船は遠ざかります・・・・・・・。 つづく

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このページは、宝徳 健が2018年9月29日 22:56に書いたブログ記事です。

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