どの本よりわかりやすい千夜一夜物語 10(皇紀弐千六百七十八年十月一日 八)

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 もう一度振り返りますね。なぜ「千夜一夜」といふのか。女性不信に陥つた王樣が、國中の処女を召し上げて抱き、朝になると殺してしまふやうになりました。大臣の娘シャーラザットの番になりました。彼女は、妹と一緒に王の寝屋に行き、樂しい話をしました。その話があまりにも樂しいので王は、シャーラザットを殺さず、毎晩毎晩話を聞きました。最後はつひに、回心しました。この長い長いお話なので「千夜一夜」と云ひます。

 さて、つづきます。アジブはまたも島に獨りぼっちです。
 するとまた何日が經つたとき、なんと、海の潮がどんどん引いてゐるではありませんか。水のひいたあとに一筋の道が現れ、そこをどんどん辿っていくと大きな陸地に着きました。

 夜になつてまた海はもとに戻りましたが、この陸地には人の氣配がします。歩いていくと、闇の向かうに、灯が!!!!

 アジブは疲れも忘れてその灯に向かひました。そこには立派な宮殿が。

「ごめんください」
「はい」

 聲に応えたのは、十人の人品卑しからぬ男たち。でも、みんな左目がありません。イスラムの世界では、片目は、惡魔に魅入られた人間しるしです。

 男たちはアジブの頼みを聞き、食事と寝床を用意してくれました。ああ、久しぶりに味あふご馳走とベッドのふくらみ。

 夜になると男たちは、たらふく食い、美酒をあび、空が白むまで陽気に騒ぐのでした。 つづく

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このページは、宝徳 健が2018年9月30日 21:22に書いたブログ記事です。

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